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2006 Fiscal Year Annual Research Report

シアノ架橋金属錯体ホスト包接体の誘電特性と機能性開拓

Research Project

Project/Area Number 18550118
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

錦織 紳一  東京大学, 総合文化研究科, 助教授 (70134400)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 山室 修  東京大学, 物性研究所, 助教授 (20200777)
山岸 晧彦  お茶の水女子大学, 理学部, 客員教授 (70001865)
Keywords包接化合物 / 分子運動 / 協同現象 / 誘電体物性 / 超分子化学
Research Abstract

本年度においては、[N(CH_3)_4][CdCu(CN)_4]・HCCl_3(1)、Cd(1,6-diaminoalkane)Ni(CN)_4ピロール包接体(2)、同じくフルオロベンゼン包接体(3)およびこれらの関連包接体に対して、試料調製、DSC、^2H-NMR粉末パターン、誘電率、熱容量等の測定、単結晶・粉末X線回折による結晶構造情報の収集を行った。マシンタイムの関係で全測定が完了しているわけではないが、得られた知見を以下に記す。化合物1はダイヤモンド格子状ホストに極性のHCCl_3と非極性のN(CH_3)_4^+の二種のゲストが内包された包接体であり、これらゲストの動的挙動の相関が興味深い。HCCl_3の配向は188K以上で等方回転運動による無秩序状態(常誘電性)にあるが、2つの相転移を経て175K以下でホストの変形を伴い分子運動の凍結により秩序化する。この状態で包接体は極性結晶となるが、ホストの変形が激しく外部電場印加によるHCCl_3の配向の逆転による強誘電性の発現は期待できない。一方、N(CH_3)_4^+は一貫して等方回転状態にあった。化合物2、3では、極性ゲストが一次元トンネル内に一列に配置され、いわば一次元イジング的な状況が作り出されている。2、3でゲストは異なるがゲストの運動性は類似しており、固体NMRから120K付近では偏りを持った再配向運動が、室温以上でも数種類の明確に制限された再配向運動が示唆された。一般に、低温ではゲスト間相互作用のため偏りのある再配向運動が出現する可能性があるが、高温では熱的攪乱によりゲストは等方的運動状態へと移行すると考えられる。しかし、観測結果はこれとは異なっており、高温でもゲストの協同的な振る舞いが残っている可能性がある。今後この領域での誘電率測定を行い、その情報も加え検討を行う。

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Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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