2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18550119
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
高田 主岳 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教授 (20361644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯地 昭夫 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (60144193)
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Keywords | アクチュエータ / レドックス / 高分子ゲル / エネルギー変換 / 分子機械 |
Research Abstract |
本研究では、これまで研究例の少なかった電気化学アクチュエータについて系統的に研究し、それによって従来よりも効率や出力に優れたアクチュエータを開発し、さらに向上させるための方向性を明確にすることを目的としている。これまでに開発してきた、銅イオンを内包したポリアクリル酸ゲルを用いた電気化学アクチュエータは、動作に2〜3時間を要していた。今回、ゲルの合成法およびフィルム電極の素材を変えることにより、動作時間を約30分と大幅に短縮することに成功した。ここではポリアクリル酸ゲルは、すでに直鎖状に重合しているポリアクリル酸をエチレングリコールで架橋するごとにより合成し、これまでのものと比べて均一な薄膜とした。電極は市販の導電性フィルム(鬼怒川ゴム、KZ45)の裏側に金をスパッタし、導電性を高めたものを用いた。凍結乾燥法やエチレングリコールを用いたゲルの多孔質化により、ゲル内の銅イオンの拡散速度を向上させ、動作速度の改善を目指したが、有意な効果は見られなかった。また導電性ポリマーであるポリアニリンスルホン酸や、金粉をゲル内に導入し、見かけの電極面積を増やすことにより反応量を増加させ、動作速度を向上させることも試みたが、これらの効果も見られなかった。これらのことから、動作速度の向上には、酸化還元活性種自体の拡散速度を向上させる必要性があることが明らかになった。 酸化チタンを導入したポリアクリル酸ゲルを利用した光電気化学アクチュエータにおいては、これまで用いてきた銅イオンに代わり、銀イオンを用いることにより、紫外線照射により膨潤、可視光照射により収縮させることが可能となった。すなわち、照射する光の波長を変えることにより、可逆に膨潤・収縮するアクチュエータを開発した。このアクチュエータは、部分的に光を照射することにより局所的な動作を行うことも可能であった。
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Research Products
(1 results)