2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18550119
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
高田 主岳 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 准教授 (20361644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯地 昭夫 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (60144193)
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Keywords | アクチュエータ / レドックス / 高分子ゲル / エネルギー変換 / 分子機械 |
Research Abstract |
本研究では,これまで研究例の少なかった電気化学アクチュエータについて系統的に研究し,それによって従来よりも効率や出力に優れたアクチュエータを開発し,さらに向上させるための方向性を明確にすることを目的としている。昨年度,銅イオンを内包したポリアクリル酸ゲルを用いた電気化学アクチュエータの動作速度を約30分に短縮した。今回は銀イオンを用いることによりさらに短縮し,約10分とした。また,動作距離も大きくなった。これは銀イオンの拡散が速いためと考えられた。酸化還元活性種に銅イオンや銀イオンを用いた場合,これらは還元時に電極上に析出するため,電極-ゲル間の結合を物理的に切断し,繰り返し特性の低下が見られた。また,酸化時には溶解するため,ゲルから遊離し,これも繰り返し特性低下の原因となる。そこで酸化還元活性種としてフェロセンを内包したポリアクリル酸アクチュエータの開発を試みた。このアクチュエータは,フェロセン内包量が表面濃度として10^<-10>molcm^<-2>以下と極微量であっても動作することが明らかとなった。ゲルはフェロセンを酸化した場合には膨潤し,還元した場合には収縮した。この挙動は銅イオンや銀イオンを用いた場合と逆の傾向であったが,これは酸化にともなうゲル内の親水化と,ゲル内の電荷補正のためのアニオンの挿入によるものと考えられた。動作にはまだ数時間を要しているが,フェロセンの濃度を高め,反応量を多くすることにより大きく改善されると考えられる。
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Research Products
(11 results)