2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18550119
|
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
高田 主岳 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 准教授 (20361644)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯地 昭夫 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (60144193)
|
Keywords | アクチュエータ / レドックス / 高分子ゲル / 分子バルブ / エネルギー変換 / 分子機械 |
Research Abstract |
ポリアクリル酸をエチレングリコールで架橋したゲルにフェロセンを内包したアクチュエータでは、ゲルを合成した後に、フェロセン/DMSO溶液に浸漬することでフェロセン内包量を、合成時に取り込ませる場合に比べて、約10倍高い2×10^<-9>mol cm^<-2>と向上させることができた。これにより曲率変化で表した動作量も、約1桁高めることができた。また浸漬によりフェロセンを取り込ませたアクチュエータの場合、ゲルは酸化で伸張(収縮)し、還元で屈曲(膨潤)した。この動作は合成時に内包したものと逆であり、同じ組成のアクチュエータで、動作の方向を制御できる可能性があることが示された。動作のメカニズムは、酸化で膨潤する場合は、フェロセンのイオン化による親水性の増加やアニオンのゲル内への移動によるものであり、酸化で収縮する場合は、フェリシニウムイオンとゲルのカルボキシル基との静電的引力の増加やカチオンのゲル外への移動によるものと考えられた。 溶液の透過を制御するアクチュエータでは、透過濃度の変化に影響を与える因子として、イオンの酸化還元のみならず、溶液中の酸素の還元などもあることが明らかとなった。脱酸素下では、-0.7 V vs. Ag/AgClを印加するとCu^<2+>イオンの透過濃度は約7x10^<-4>Mとなり、オープンサーキット時(約3x10^<-4>M)に比べて上昇した。また+0.9Vを印加すると透過濃度は約8x10^<-4>Mとなり、これは電極とカチオンの静電的反発によるものと考えられた。Ca^<2+>イオンでも-0.7および+0.9Vを印加すると透過濃度はオープンサーキット時(約2x10^<-4>M)に比べて上昇し(それぞれ約6x10^<-4>Mおよび約7x10^<-4>M)、電位印加により透過濃度を制御できることを明らかにした。
|
Research Products
(10 results)