2007 Fiscal Year Annual Research Report
キュービック液晶形成化合物の積層構造の次元制御と新しい分子システムの創製
Project/Area Number |
18550121
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
沓水 祥一 Gifu University, 工学部, 准教授 (80214964)
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Keywords | キュービック液晶 / 相転移挙動 / ミクロ構造 / X線回折 / 三重周期極小界面 / IRスペクトル / Cub-Cub相転移のダイナミクス |
Research Abstract |
分子システムの基盤化合物である1,2-ビス(n-アルコキシベンゾイル)ヒドラジン(BABH-n)の液晶秩序相の構造形成の詳細を明らかにするとともに、光による相転移制御を目指して、アルコキシアゾベンゼンとの2成分系の調製と光照射下の相転移挙動の検討を行った。主な成果を以下に示す。 1. X線回折とIRスペクトルの測定により、基盤化合物が形成する二種類の双連結型Cub相(Ia3d-G型とIm3m-PP型)のミクロ構造の検討を行った。(1)構造形成駆動力は、分子コア部とアルキル鎖部分のミクロ相分離、アルキル鎖の広がり、分子間水素結合であることを明らかにした。(2)構造形成の特徴から、系はアルキル鎖炭素数nの増加とともに低分子液晶様領域からブロック共重合体様領域へと移行しており、その中間領域にサーモトロピック系特有のIm3m-PP型が発現している。(3)n=13,15,16では、Ia3d-G型とIm3m-PP型の間で温度誘起のCub-Cub相転移を示す。放射光を利用した時分割X線回折測定により、相転移のダイナミクスが明らかにされつつある。 2. 光による相転移制御を目指して、アルキル鎖炭素数が8から10のアルコキシアゾベンゼンと同じアルキル鎖長BABH-nの2成分系の調製と相転移挙動の検討を行った。アゾベンゼンの含量が高いと、SmC相の発現が失われてしまうので、SmC相とCub相の両方が安定に発現する最適の含量を探索した。ひとつの組合せで、紫外光の照射により3次元積層構造であるCub相から1次元積層構造であるSmC相への可逆のスイッチングが実現できた。
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[Presentation] Structural Analysis of Im3m Phase of BABH-n by Maximum Entropy Method2007
Author(s)
K. Ozawa, Y. Yamamura, S. Yasuzuka, K. Saito, H. Mori, and S. Kutsumizu
Organizer
YITP Workshop 2007, New Frontiers in Colloidal Physics: A Bridge between Micro-and Macroscopic Concepts in Soft Matter, Kyoto, Japan, July 25-27, 2007.
Place of Presentation
京大会館
Year and Date
2007-06-26
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より
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