2006 Fiscal Year Annual Research Report
人工光合成モデルデンドリマーを用いた発光素子の開発
Project/Area Number |
18550122
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
川井 秀記 静岡大学, 電子工学研究所, 助手 (80324341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 雅樹 静岡大学, 工学部, 助手 (30313935)
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Keywords | 高分子構造・物性 / 光物性 / 光合成モデル / デンドリマー / 発光 |
Research Abstract |
本研究は、次世代の光通信・光配線に望まれる新規高分子レーザー発振媒体として、人工光合成モデルデンドリマーに着目し、分子内エネルギー移動によるクロモフォア(発光中心)の高効率励起及び濃度消光の抑制により、高分子薄膜中でのレーザー発振を目指すものである。本年度は、新規光増感型デンドリマーの合成及び分子内エネルギー移動にっいて評価を行った。 光増感型デンドリマーは、異なる構造のアントラセンユニットとペリレンユニットを予め数種類合成を行い、それぞれのユニットのエーテル化反応により、様々な組み合わせのデンドリマーを合成した。合成したデンドリマーのアントラセンクロモフォアを選択的に励起したところ、アントラセンの蛍光はほとんど消光され、500nm付近にペリレンからの蛍光が観測された。また、観測されたペリレンの極大発光である500nmを観測波長として、励起スペクトルの測定を行ったところ、すべてのデンドリマー分子においてアントラセンの吸収に相当したスペクトルが観測された。これらの結果は、デンドリマー分子内において、アントラセンからペリレンへの効率のよいエネルギー移動が生じていることを示している。 一連のデンドリマー分子におけるエネルギー移動効率について評価を行ったところ、いずれも比較的高いエネルギー移動効率を生じていることがわかった。しかしながら、デンドリマー分子の内殻に存在するアントラセンクロモフォアの数において、4個のものと8個のものでは、4個のものの方がエネルギー移動効率を高いことが示唆された。また、外殻に有するアントラセン数は、エネルギー移動効率には、あまり影響を与えないことがわかった。
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Research Products
(4 results)