2006 Fiscal Year Annual Research Report
分子三脚の自己組織化に基づく秩序配列単分子膜の開発
Project/Area Number |
18550124
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
北川 敏一 三重大学, 大学院工学研究科, 教授 (20183791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 康丈 富山大学, 大学院医学薬学研究部, 助教授 (70197185)
平井 克幸 三重大学, 生命科学研究支援センター, 助教授 (80208793)
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Keywords | 分子三脚 / 自己組織化単分子膜 / アダマンタン / フェロセン / チオール / 金(111)面 / 分子ワイヤー / 電子移動速度 |
Research Abstract |
1)Au基板上におけるアダマンタン分子三脚の単分子膜の精密解析 アダマンタンの3個の橋頭位炭素にCH_2SH基を結合した分子三脚のAu(111)表面における単分子膜について、超高真空STMによる分子配列の精密解析を行い膜状の配列パターンを明らかにした。 2)三脚分子上部への芳香環の導入 上述の分子三脚のアダマンタン骨格の第4の橋頭位に、p-ヨードフェニル基を結合した分子を良好な収率で合成した。遷移金属触媒を用いたクロスカップリング反応により、この分子の上部のフェニル基に様々なπ共役機能分子ユニットを効率的に結合することが可能であり、この手法で広範囲の分子三脚一機能ユニット連結系が合成可能となった。 3)分子三脚-フェロセン連結分子の合成とその単分子膜の作製および評価 上記の手法でアダマンタン分子三脚とフェロセンを、フェニレンエチニレン基を介して連結した分子を園頭カップリング反応により合成した。Au(111)面上にこの分子の単分子膜を作製し、その特性を分光学的および電気化学的な手法により分析した。まず、反射IRスペクトルおよびXPS分析により、分子中の3個のSH基がすべてAuと結合しており、三脚分子が基板に3点結合により吸着していることが確認できた。また、膜上のフェロセンの酸化還元挙動を調べるため、膜を形成したAu基板を作用電極とするサイクリックボルタンメトリーを行った結果、つぎの2点が明らかとなった。 (i)フェロセンユニットの表面密度は、直鎖アルカンチオールの自己組織化単分子膜の1/3という高密度である。 (ii)フェロセンユニット間の間隔がアンカーである三脚の分子サイズの効果のため広がり、分子間の相互作用はほとんど無視できるほど小さい。 以上の結果、分子三脚をアンカーとして使用することにより、機能π共役分子ユニットを互いに孤立した状態で高密度に配置して単分子膜を作製できることが示された。
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Research Products
(2 results)