2007 Fiscal Year Annual Research Report
分子三脚の自己組織化に基づく秩序配列単分子膜の開発
Project/Area Number |
18550124
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
北川 敏一 Mie University, 大学院・工学研究科, 教授 (20183791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 克幸 三重大学, 生命科学研究支援センター, 准教授 (80208793)
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Keywords | 分子三脚 / 自己組織化単分子膜 / アダマンタン / フェロセン / チオール / 金(111)面 |
Research Abstract |
1)分子伸張型分子三脚-フェロセン連結体の合成と単分子膜の作製 18年度に合成したアダマンタン分子三脚-フェロセン連結体のリンカーであるフェニレンエチニレン基を伸張して,ビス(フェニレンエチニレン)およびトリス(フェニレンエチニレン)リンカーによる分子伸張型連結体を合成した。それぞれの自己組織化単分子膜をAu(111)面上に作製し,その特性をサイクリックボルタンメトリーにより解析した。その結果,フェロセンユニットの表面密度はリンカーの伸張にかかわらず一定に保たれることが示された。これにより,アダマンタン炭素骨格の剛直性とオリゴ(フェニレンエチニレン)リンカーの硬い棒状構造により,長いリンカーを用いた場合でもフェロセンユニットを一定間隔で強固に固定できることが明らかとなった。また,膜上のフェロセンユニット間の相互作用はリンカーの伸張によらずほぼゼロであり,各ユニットの独立性が保持できることから,これらは分子メモリーの構成要素として有用であることが示された。 2)占有面積拡張型分子三脚の合成と単分子膜の作製 アダマンタン分子三脚の3つの脚のそれぞれに2個のメチル基を結合した,新しい三脚形トリチオールの合成に成功した。この三脚では,6個のメチル基が分子の周囲に張り出しているため単分子膜を形成した際に分子占有面積が増大し,その結果隣接分子間距離は広くなる。実際に単分子膜を作製して電気化学測定を行った結果,膜上の分子間距離はメチル基を持たない場合に8.7Aであるのに対して10.9Aに広がることが確認できた。これにより,大きなサイズの機能分子を三脚上に結合して各分子を孤立した状態で単分子膜を形成できることが示された。
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Research Products
(9 results)