2006 Fiscal Year Annual Research Report
高度なポリマー認識能を有するテーラーメイド型糖質系ホスト分子の構築
Project/Area Number |
18550125
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木田 敏之 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教授 (20234297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
明石 満 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (20145460)
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Keywords | ポリマー認識 / シクロデキストリン / 結合変換 / ポリアクリル酸 / メチル化アミロース / 包接錯体 |
Research Abstract |
本研究では、特定の構造をもつゲストポリマーを高選択的に識別できるホスト分子の開発を目的として、完全メチル化α-シクロデキストリン(Me-α-CD)のα-1,4グルコシド結合の一つをβ-1,4グルコシド結合に変換した結合変換CDならびにアミロースの2,3位水酸基の一部をメチル化した部分メチル化アミロース(MA)を合成し、種々の高分子との包接錯体形成能について検討した。まず、結合変換CDと種々のゲストポリマーを水中で混合し、65℃で1時間超音波照射後、沈澱形成の有無を観察した。得られた沈澱を純水で洗浄し凍結乾燥後、X線回折ならびにNMR測定を行った。結合変換CDはMe-α-CDと同様に、ポリテトラヒドロフラン(PTHF)やポリ(ε-カプロラクトン)(PCL)と包接錯体を形成することがわかった。その一方で、これらのゲストポリマーとの包接錯体形成比はMe-α-CDの場合とは大きく異なった。また、結合変換CDは、従来のシクロデキストリン誘導体では包接錯体形成が不可能とされていたポリアクリル酸とも包接錯体を形成することがわかった。次に我々は、ポリマー認識能をもつホスト分子としてアミロースに着目した。アミロースは、グルコピラノースがα-1,4グルコシド結合で連結した多糖であり、そのらせん空孔内部に種々の有機低分子を取り込んで包接錯体を形成することが知られている。しかし、アミロースの水系媒体への溶解度は低く、溶解してもすぐに不溶性の沈殿を形成してしまう(老化)ことから、高分子との包接錯体形成は困難とされてきた。我々は、アミロースの水酸基を部分的にメチル化することで水系媒体への溶解性を向上させ、PTHFやPCLなどのゲストポリマーと簡便に包接錯体を形成させることに成功した。
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Research Products
(1 results)