2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18550129
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
中村 光伸 兵庫県立大学, 大学院工学研究科, 助教授 (50285342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山名 一成 兵庫県立大学, 大学院工学研究科, 教授 (70192408)
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Keywords | RNA / π-アロマテイックアレイ / エキシマー / ピレン / 励起子相互作用 / ナノ分子組織体 |
Research Abstract |
本研究ではRNA核酸の構造と相互作用およびそれらの機能化の容易さを利用して、アロマティック分子をらせん階段状に配列させ、π電子のスタッキング構造をもったπ-アロマティックアレイを構築し、長距離・多段階の電子移動および光エネルギー移動を達成するとし種々の検討を行った結果、18年度は下記の成果を得た。 1.RNA二重らせん上へのπ-アロマティックアレイの構築 RNA核酸ヘアロマティック分子としてピレンを複数導入することに成功し、RNA上にπ-アロマティックアレイの構築を可能にした。 2.自己組織化によるπ-アロマティックアレイの構造制御 合成したマルチピレン修飾RNAと相補的な塩基配列を有するRNAとの二重らせん形成させることによりπ-アロマティックアレイの構造制御を達成した。 3.π-アロマティックアレイ蛍光挙動の解明 合成した合成したマルチピレン修飾RNAはアロマティック分子のエキシマー蛍光を示すこと、さらに二重らせん形成によりエキシマー蛍光が増強されることを明らかにした。 4.分光学的手法を利用したπ-アロマティックアレイ構造の解析 吸収スペクトル、円二色性スペクトル測定よりアロマティック分子が二重らせんRNAの外側に位置し、らせんに沿ってπ-スタッキングを介して会合していることを明らかにした。 5.分子動力学計算による評価 π-アロマティックアレイの分子動力学計算の結果、その最適化構造はアロマティック分子が二重らせんRNAの外側で会合していることを示した。さらにこの構造から得られる理論的円二色性は実測の円二色性とほぼ一致することを明らかにした。
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