2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナノレセプターを用いるbisphenol Aの生体試料逐次計測用センサーの開発
Project/Area Number |
18550132
|
Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
久保 いづみ Soka University, 工学部, 教授 (40214986)
|
Keywords | ナノレセプター / ビスフェノールA / 分子インプリントポリマー / 金電極 / 修飾電極 / 酸化電流 / アスコルビン酸 / ラット血清 |
Research Abstract |
BPAのナノレセプターであるBPA-MIPを実際に電極表面に修飾し、表面形状をAFMで確認したところ、裸の状態の金電極の表面状態とBPA-MIP修飾後では、金電極表面の凹凸がBPA-MIP修飾により凹凸の減少が見られた。このことから、 BPA-MIPの電極修飾が確認された。このBPA-MIP修飾電極を用いてリン酸緩衝液中に5〜15μMに調製したBPAのCV測定を行った。 BPAの酸化ピーク電流は約580mV付近に観察され、 BPA-MIPを修飾した電極でも濃度依存的に酸化ピーク電流を検出することが出来た。これまでにMIPを電極修飾した報告ではMIP中に支持電解質が必要であったが、本研究では支持電解質を含浸させず、 CV測定が可能であったため、簡易なMIP修飾電極でのセンサーの可能性を見出せた。食品添加物として多く使用されている、アスコルビン酸(AA)存在下でのBPA-MIP修飾電極を使用したBPAのCV測定を行った。またBPA-MIP修飾電極の重合時間による電流値の変化を比較し、 BPAは5μM、 AAは50μM酸に濃度を調製しCV測定を行った。それぞれのCV測定において、 AAは非常に酸化されやすく酸化ピーク電流値は200mV付近に見られ、 BPAは前述したとおり580mV付近に確認された。それぞれの酸化ピーク電流値を金電極とBPA-MIP修飾電極で比較すると、BPA-MIPを電極修飾するため、AA、BPA共に酸化電流ピーク値は減少した。しかし、重合時間2分、5分共にAAの酸化ピーク電流値の減少がBPAに比べて大きくなった。これはBPAがBPA-MIPの結合サイトに取り込まれて電気化学反応をするのに対して、アスコルビン酸の反応はBPA-MIPによって阻害されたためだと考えられる。さらに、 BPAが内分泌撹乱作用を疑われているため、リン酸緩衝液で稀釈したラット血清サンプル中での5μMのBPAのCV測定をBPA-MIP修飾電極で検討した。血清サンプルを除タンパクの操作を行う必要はあったが、血清サンプル中でもBPAの酸化ピーク電流を検出することが可能であった。
|
Research Products
(8 results)