2007 Fiscal Year Annual Research Report
ドナー、アクセプター基を機能的に配列させたクロス型電子共役系強発光物質の創製
Project/Area Number |
18550133
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
松原 凱男 Kinki University, 理工学部, 教授 (80088450)
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Keywords | 強発光機能 / ドナー基 / アクセプター基 / クロス型電子共役系 / フェニルエチニル基のアーム / 4置換ベンゼンのコア / 発光特性 |
Research Abstract |
有機化合物の機能発現は電子共役系の構築とその電子の挙動が重要な要因である事は明白であるが、発光機能材料の場合、特に強発光体の設計には、上記の要因を含め発光強度、発光波長のチューニングが要求される。この克服に従来は、一次元的に電子共役系を拡張する手法が一般的に行われて来ているが、二次元的に電子共役系を構築し、さらに適度なドナー基とアクセプター基を機能的に配列する事により電子挙動の制御幅が拡大し、この事により発光強度、発光波長のチューニング等任意の選択性が可能と考えられる。本申請者は新しい概念に基づく新しい電子系の創出とそれらによる画期的機能の創出が重要であるとの観点から、ドナー、アクセプター基を機能的に配列させたクロス型電子共役系強発光物質の創製について、それらの合成法および機能評価について検討する事を目的とした。 2,3,5,6-4置換ベンゼンをコアとして、4方向にフェニルエチニル基をアーム状に構築し、ドナーあるいはアクセプター基を修飾したπ共役体を合成し、その発光特性について研究した結果、クロス型フェニルエチニルベンゼンはπ-電子の拡張を大きくさせ、ドナー・アクセプター基を導入する事で励起状態においてπ-電子の広がりをさらに大きくさせている。この事は、無放射を抑え放射を有利にする事によりその量子収率は大きく増大したものと思われる。ΔΔS^‡=ΔS_r^‡-ΔS_d^‡=ln k_r/k_dの取り扱いから、発光効率のエントロピー依存性を世界で初めて見出すことが出来た。また、励起状態でのπ-電子の分極はコア、アーム部分で起こるが分子全体として対称性のためそのモーメントは小さくなり励起状態での溶媒和を受けにくい事が明らかになった。
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