2008 Fiscal Year Annual Research Report
キトサンを母材としたアミノ酸修飾両性イオン交換樹脂の開発と捕集分離機能の追求
Project/Area Number |
18550138
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
上田 一正 Kanazawa University, 物質化学系, 教授 (40019758)
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Keywords | アミノ酸修飾キトサン樹脂 / 白金族元素 / 捕集分離 / 吸着等温線 / 吸着速度 / 相互分離 |
Research Abstract |
1. EGDA架橋キトサン樹脂を母材に、グリオキシル酸スペーサーを介し、各種アミノ酸を導入した樹脂を20種合成し、合成樹脂の物性を測定した。また、母材粒径が小さいほど、表面積が増大するため、金属イオン飽和吸着速度がかなり速くなることが分かった。 2. 白金族元素(8、9、10族)共存系で競争的吸着挙動を検討した結果、同族イオン共存系では、前周期の元素を優先的に捕集することが分かった。これは、分離困難な白金族元素のマクロ精製に一つの方策を与えるものであった。これを基にカラム法により、Pt(IV)-Au(III)-Pd(II)の連続分離やIr(IV)とRh(IV)、Pd(II)、Pt(IV)、Au(IIIなどの定量的分離を溶離剤を変え達成した。貴金属イオンは強酸性域(6M HCl)でも吸着可能であり、多量の遷移金属、アルカリ土類、各種アニオンが共存下のミクロ分離定量とマクロ量精製法が確立された。強酸やアルカリ溶液中でも樹脂はその機能を発揮したが、10回以上の吸・脱着しても貴金属飽和吸着量に殆ど差異は見られず、優れた再使用性と耐性を有することが分かった。生分解性試験では、土中埋め込み樹脂の残存率から、樹脂は8〜12週までに微生物分解を受けることが分かり、その過程をFT-IRで追跡した。 3. 貴金属イオンの吸着等温線を作成し、Langmuir型吸着することが分かった。樹脂表面の吸着活性サイトが増加し、Pt(IV)>Pd(II)>Au(III)の序列で吸着力が増すが、白金が強い相互作用をすることが明らかとなった。また、吸着反応速度を解析し、擬二次式と良い相関を見、化学吸着が反応律速であり、Arrheniusプロットから確認した。温度依存性を追跡し、吸着過程は発熱反応で、Van't Hoffプロットから熱力学的諸定数を収集した。更に、SEM画像より、合成樹脂の多孔性を認めた。
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Research Products
(5 results)