2006 Fiscal Year Annual Research Report
糖質系バイオマス誘導体/クレー系複合材料のナノ構造制御と機能発現
Project/Area Number |
18550139
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉岡 まり子 京都大学, 農学研究科, 講師 (30220594)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西尾 嘉之 京都大学, 農学研究科, 教授 (00156043)
|
Keywords | メチル-α-グルコシ / ε-カプロラクトン / L-ラクチド / 有機化クレイ / ポリオール / ポリウレタン発泡体 / ナノコンポジット / 限界密度 |
Research Abstract |
メチル-α-D-グルコシドと環状エステル(ε-カプロラクトン,L-ラクチド)の混合物に2〜5wt%の有機化クレイを分散させた状態で,150℃において所定時間反応させてナノ化ポリオールを得た.それとジフェニルメタンジイソシアネート(MDI),触媒2種(主として泡化に作用,主として架橋に作用),整泡剤,水を種々の割合で混合し,高速攪拌を行い,ポリウレタン発泡体を調製した.イソシアネートインデックスは100とした.得られた発泡体から5cm角の立方体を切り出し,密度,圧縮試験,動的粘弾性(圧縮モード)等の物理的特性化を種々行なった。クレイが入ることにより発泡体セル壁の強度と弾性率が大きくるなど、予想される物性向上が認められたが,その耐候性を調べる過程で,発泡体での特性化であるが故の,普通は見逃される短所も見出された.高温(70℃)や低温(-30℃),さらには高温・高湿(70℃・95%RH)でそれぞれ48時間処理する際の寸法安定性の測定を発泡倍率をパラメーターにして行なった.その結果,クレイが入ると低温特性が向上する一方で,高温・高湿耐候性は限界密度値でクレイ分散系43kg/m3からクレイ非分散系40kg/m3になるなど逆効果的な事実が認められた.限界密度値とは発泡体の密度が小さくなるにつれ処理による寸法変化率が大きくなる中で,その値が3%以上となる密度をいう.ナノコンポジット化物の方がその値が大きくなるということは,処理中の温度と湿度の作用で発泡体セル壁中の主としてエステル結合,さらにはウレタン結合などが開裂される反応をクレイが触媒し得ることに起因するものと考えられる.
|