2007 Fiscal Year Annual Research Report
糖質系バイオマス誘導体/クレー系複合材料のナノ構造制御と機能発現
Project/Area Number |
18550139
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉岡 まり子 Kyoto University, 農学研究科, 講師 (30220594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西尾 嘉之 京都大学, 農学研究科, 教授 (00156043)
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Keywords | リグノセルロース / 液化 / ポリオール / フェノール / ナノコンポジット / ポリウレタン発泡体 / クレイ / 層剥離 |
Research Abstract |
昨年度のメチル-α-D-グルコシドを基質として環状エステル(ε-カプロラクトン,L-ラクチド)を重合させた系を,リグノセルロースのポリオール(PEG400/グリセリン;エチルセロソルブ/ε-カプロラクトン/MeOH)液化物系及びリグノセルロースのフェノール液化物系に変えて,それらとクレイとのナノ化複合材料の調製と得られた該材料の機能発現について検討した.前者に関しては,合成ヘクトライトおよびその極性基を有する有機変性クレイ(SWNおよびSTN)を選択することにより,X線回折により層剥離が示唆されるナノコンポジットを調製しうることが知られた.それらクレイがナノ分散した液化リグノセルロース溶液の粘度が高くなることからも,このことは裏づけられた.これらから昨年同様にポリウレタン発泡体を調製し,DMA測定した結果,クレイを添加したポリウレタン発泡体はコントロールに比べて全測定温度範囲にわたり動的貯蔵弾性率(E')の値が大きく,高剛性が示された.E'の温度依存性より耐熱性の向上が認められ,またSEM観察からクレイを添加することによりセルのサイズが均一になるという傾向が知られた.他方,フェノール液化リグノセルロース中に単純に分散させるだけでも,PGW,Cloisite30B,SWN,ME-100,MEEおよびMPEではクレイの層間隔が広がり,SPNおよびSTNでは完全に層が剥離し,ナノコンポジットを調製しうることが知られた.DSC測定により,硬化ピークが二峰性となり,クレイを加えることにより,高温側のピークが減少し,より低温での架橋反応が促進されること,またその効果はクレイの分散性が高いほど顕著であることが知られた.
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