2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18550141
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Research Institution | Tohoku Institute of Technology |
Principal Investigator |
内田 美穂 Tohoku Institute of Technology, 工学部, 准教授 (10292236)
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Keywords | 燃焼炎 / 水素 / 水溶液反応 / ラジカル / 気相 / 過酸化水素 |
Research Abstract |
燃焼炎は燃料に応じて炎中に各種ラジカルが生成し、燃焼炎を水溶液界面へ吹きつけると、燃焼炎中のラジカルは水溶液中へと移動し、水溶液内での化学反応に利用することができる。水素-酸素燃焼炎中で主に発生する酸化剤であるヒドロキシルラジカルの二量化により過酸化水素が生成する。過酸化水素の水溶液中での生成量をもって、水素-酸素燃焼炎中で発生したラジカル酸化剤の水溶液への移動量の指標とした。 種々の単一および混合ガス雰囲気下で反応を行ったところ、窒素については、雰囲気ガスとして一定量以上存在すると、水溶液中に生成した過酸化水素による、亜硝酸イオンから硝酸イオンへの酸化が起き、過酸化水素が消費されるために、過酸化水素の生成量は低下した。 酸素については、燃焼炎中の化学種と反応し、ヒドロキシルラジカルとは別の化学種を生成するため、水溶液中に生成する過酸化水素濃度は小さくなったが、燃焼炎中での窒素酸化物生成反応を促進することが推測された。ヘリウムについては、水溶液中に生成する過酸化水素濃度は小さくなった。この原因のひとつとして、ヘリウムの熱伝導性が大きいことが挙げられる。 以上のことから、燃焼炎中に生成する化学種と気相雰囲気ガスとの反応性を考えた上で、燃焼炎中に多くの化学種を生成させることができれば、水溶液中への化学種供給量も多くなると考えられる。また、水溶液中に供給された化学種も水溶液中の化学種と反応すると考えられるので、様々な燃焼ガスを用いることで、種々の水溶液内反応における化学種供給技術としての応用が期待できる。
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