2006 Fiscal Year Annual Research Report
プロトン伝導性高分子用モノマーとしての芳香族ヒドロキシフタル酸の酵素的合成
Project/Area Number |
18550143
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
石井 義孝 早稲田大学, 付置研究所, 助教授 (70339688)
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Keywords | グリーンケミストリー / 生物的合成 / 構造機能活性相関 |
Research Abstract |
本研究では、プロトン伝導性高分子のモノマー種として、2-ヒドロキシイソフタル酸(2HP)および3-ヒドロキシ-4-メチルフタル酸の新規な酵素的合成法を開発することを目的としている。 平成18年度は、以下の項目について実施した。 (1)新規炭酸固定反応を有する微生物のスクリーニング 新たに2HP脱炭酸活性を有する微生物のスクリーニングを行った。しかし、当該活性を有する新規な微生物の取得はできなかった。 (2)WU-0404を生体触媒として利用した3-ヒドロキシ安息香酸(HBA)のカルボキシル化の検討 最もHBA脱炭酸活性の強いWU-0404株を用いて、HBAから3HPへのカルボキシル化反応をについて検討したが、当該反応を確認することはできなかった。取得している3株の3HPからHBAへの脱炭酸活性について検討した結果、WU-0404株は脱炭酸したHBAを完全分解するが、脱炭酸活性の弱いWU-0402株やWU-0403株では、3HPの減少に伴い化学量論的にほぼ等しいHBAの増加が確認された。以上より、次年度にWU-0402株あるいはWU-0403株についてカルボキシル化反応の検討を実施する予定である。 (3)3-ヒドロキシフタル酸(3HP)脱炭酸酵素遺伝子クローニング 芳香族ヒドロキシカルボン酸脱炭酸酵素の共通配列の情報を基に、WU-0404株から3HP脱炭酸酵素のPCRクローニングを実施した。その結果、321個のアミノ酸をコードする962bpのORFを取得し、既知の芳香族ヒドロキシカルボン酸脱炭酸酵素と40%程度の相同性を示した。 (4)3HP脱炭酸酵素の精製および遺伝子クローニング WU-0404株から3HP脱炭酸活性を有する酵素を、4段階の種類のクロマトグラフィーにより精製した。精製した酵素のN末端アミノ酸分析を行ったが、N末端がブロッキングされていた。次年度は、内部アミノ酸配列分析を行う予定である。
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