2007 Fiscal Year Annual Research Report
古相アレイに依らないグライコームワイドな擬糖鎖アレイ法
Project/Area Number |
18550145
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
篠原 康郎 Hokkaido University, 大学院・先端生命科学研究院, 特任教授 (20374192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 潤一 北海道大学, 大学院・先端生命科学研究院, 特任助教 (30374193)
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Keywords | 糖鎖アレイ / グライコミクス / 糖鎖認識分子 / 質量分析 |
Research Abstract |
昨年度までにアミノオキシ基やヒドラジド基の近傍にグアニジニウム基のような強力なプロトン受容体が存在する場合に、オキシムまたはヒドラゾン結合した糖鎖がMS/MSで優先的に開裂することを見出している。本年度はアフィニティプローブとしてフェニルジアリジン基を有する標識試薬による糖鎖のラベル化に関する検討を進めた。生体由来のグライコームワイドな糖鎖をこれらの標識試薬によって標識するためには、生体試料からの糖鎖精製のスキームと整合性を持たせる必要がある。我々は糖鎖精製のための基盤プラットフォームであるglycoblotting法において任意の標識試薬によるラベル化を実現するために、イミン交換に基づくラベル化試薬交換を検討し、これを確立した(Anal Chem80,1094,2008)。本法により生体試料中の微量糖鎖を上記標識試薬で標識する条件を定めた。他方、新規糖鎖認識分子を探索するモデルとして検討を進めているマウス表皮については、定量的グライコーム解析から表皮特異的な糖鎖としてGalα1-3Galエピトープを有する糖鎖の一群を見出したため、本糖エピトープを認識する糖認識分子の探索を進めた。フェニルジアリジン基は優れた光アフィニティプローブとして知られているが、光アフィニティ標識に濃度依存性があり、生体に存在する微量糖認識分子の標識には課題が残された。しかし、生体から調製したN-glycanライブラリーを相互作用のプローブとすることで、Galα1-3Galエピトープを認識する糖認識分子としてガレクチン-3を同定するとともに、その厳密な糖認識特異性を明らかにすることができた(論文submitted)。今後、光アフィニティプローブの最適化を進めるとともに、3連四重極型LC/MS/MSを用いて特異的検出法についてさらに検討を進める予定である。
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Research Products
(1 results)