2008 Fiscal Year Annual Research Report
固相アレイに依らないグライコームワイドな擬糖鎖アレイ法
Project/Area Number |
18550145
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
篠原 康郎 Hokkaido University, 大学院・先端生命科学研究院, 特任教授 (20374192)
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Keywords | 糖鎖アレイ / グライコミクス / 糖鎖認識分子 / 質量分析 |
Research Abstract |
昨年度までに確立した糖鎖ライブラリーの精製および任意の試薬による標識技術を用い、生体試料由来のグライコームワイドな糖鎖ライブラリーをフェニルジアリジン基とビオチン基を分子内に有する光アフィニティ標識試薬によってラベル化できることを実証した。糖鎖認識分子を探索するモデルとしてマウスおよびヒトの皮膚を選び、表皮と真皮についてグライコームの目録を完成し、表皮においてユニークな発現動態を示す糖鎖としてマウスにおけるGalα1-3Galエピトープ、ヒトにおけるLacdiNAcエピトープを発見した。これらのエピトープによって修飾される一群のタンパク質を同定した結果、Galα1-3Galエピトープで修飾されるマウス表皮のタンパク質とLacdiNAcエピトープによって修飾されるヒト表皮のタンパク質は同一またはよく類似し、かついずれも接着分子としての機能を有するという興味深い知見を得た。このため、これらのエピトープを含有する糖鎖に焦点を絞り、相手分子の探索を行った。光アフィニティ標識試薬を用いた場合、非特異的な反応などを完全に回避することが困難で相手分子の同定には至らず、生体試料中の低濃度の相手分子探索には改善が必要であることが示された。他方、同定したキャリアタンパク質と遺伝子発現プロファイル情報からGalα1-3Galエピトープに対する受容体候補を複数予測し、表皮に実際に発現している様々な糖鎖をプローブに用いて候補分子との相互作用を解析することによって受容体候補の同定とユニークな糖鎖認識特異性の解明に成功し(MCP8,232,2009)、標的組織に実際に発現している糖鎖ライブラリーを相手分子探索のプローブとして利用する有用性を実証した。
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Research Products
(1 results)