2006 Fiscal Year Annual Research Report
銅タンパク質における弱い相互作用の構造と機能に関する研究
Project/Area Number |
18550147
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
高妻 孝光 茨城大学, 理工学研究科, 教授 (50215183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥飼 直也 茨城大学, 高エネルギー加速器研究機構・物質構造科学研究所, 助教授 (70300671)
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Keywords | ブルー銅タンパク質 / 電子伝達タンパク質 / 弱い相互と用 / 亜硝酸還元酵素 |
Research Abstract |
本研究では、金属イオンに配位した配位子と第2配位圏におけるアミノ酸残基の側鎖とのπ-π相互作用について詳細な知見を得るために、シュウドアズリンの16位メチオニン残基をフェニルアラニン、チロシン、トリプトファンに置換した部位特異的突然変異体を作成し、芳香族アミノ酸の置換によって誘起される疎水的効果を考慮するために、バリンに置換した変異体を作成した。 16位メチオニンを芳香族アミノ酸へ置換した変異体および野性型の電子吸収スペクトル、電子スピン共鳴スペクトルの結果より、活性中心の構造は歪んだ四面体型構造とより対称性の高いアキシャル型構造が混ざって存在し、芳香族アミノ酸の導入によって、アキシャル型の構造の割合が増加することが明らかとなった。一方、バリンに置換した変異体では、アキシャル型の構造に由来する電子常磁性スペクトルを示さなかったことから、アキシャル型の構造は、芳香族アミノ酸の側鎖と銅イオンに配位したヒスチジンイミダゾールとの相互作用によるものであると、結論された。また、芳香族アミノ酸の置換によって、酸化還元電位が50〜60mV、野性型よりも高くなることが見いだされたが、バリンに置換した変異体の酸化還元電位は273mVであり、芳香族アミノ酸の導入によって、電子状態が変化したことが明らかとなった。 また,銅型亜硝酸還元酵素のタイプ2銅部位へ基質である亜硝酸が結合すると,電子伝達部位であるタイプ1銅部位の構造変化が誘起されることを647.1nm励起の共鳴ラマンスペクトルによって見いだし,亜硝酸還元酵素における基質結合情報の伝達と電子移動反応との関係について検討を行った。
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