2007 Fiscal Year Annual Research Report
銅タンパク質における弱い相互作用の構造と機能に関する研究
Project/Area Number |
18550147
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
高妻 孝光 Ibaraki University, 理工学研究科, 教授 (50215183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥飼 直也 茨城大学, 高エネルギー加速器研究機構・物質構造科学研究所, 准教授 (70300671)
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Keywords | シュウドアズリン / 弱い相互作用 / アルカリ構造転 |
Research Abstract |
本研究では、金属イオンに配位した配位子と第2配位圏におけるアミノ酸残基の側鎖とのπ-π相互作用について詳細な知見を得るために、シュウドアズリンの16位メチオニン残基をフェニルアラニン、チロシン、トリプトファンに置換した部位特異的突然変異体を作成し、芳香族アミノ酸の置換によって誘起される疎水的効果を考慮するために、バリンに置換した変異体を作成した変異体のアルカリ構造転移について検討を行った。16位メチオニンを芳香族アミノ酸およびバリンへ置換した変異体および野性型のアルカリ構造転移と弱い相互作用との相関を電子吸収スペクトル、電子スピン共鳴スペクトル、共鳴ラマンスペクトルによって検討した。芳香族アミノ酸であるフェニルアラニン、チロシン、トリプトファンを導入した変異体では、構造が安定し、アルカリ構造転移を起こしにくくなっていることが明らかとなった。 一方、16位メチオニンをバリンに置換した変異体は、アルカリ領域において、野生型および芳香族アミノ酸置換シュウドアズリンでは認められない不安定さが顕著に認められた。バリン置換体と芳香族アミノ酸置換体のCDスペクトルを検討した結果、バリン置換体においては、蛋白質の2次構造が変化し、一部アンフォールドした状態へと変化することが判明した。このことによって、16位における弱い相互作用は、シュウドアズリンの活性中心の電子状態の調節のみならず、蛋白質の2次構造安定性とも相関を持つというユニークな結果を得た。
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