2007 Fiscal Year Annual Research Report
固定化脂質二分子膜を用いた光合成膜タンパク質集合体形成の直接観察
Project/Area Number |
18550150
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
出羽 毅久 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 講師 (70335082)
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Keywords | 光合成 / 膜タンパク質 / 固定化脂質二分子膜 / 直接観察 / 組織化 / 分子集合体 |
Research Abstract |
本研究課題では,光合成膜中での初期過程を担っている膜タンパク質複合体(アンテナ複合体(LH2)および反応中心-アンテナ複合体(RC-LH1))の集合形態と機能との相関を明らかにするために,直接観察可能なプラットフォーム(固定化平面脂質二分子膜)を作成し,そこに膜タンパク質を組織化する。平成19年度の成果は以下の通りである。(1)約5nm基板表面から膜を浮き上がらせるピラー構造を有する固定化脂質二分子膜を調製し,LH2およびRC-LH1をそこに導入することに成功した(投稿準備中)。これらの膜タンパク質は膜中で側方拡散性を示すことから,LH2およびRC-LH1からなる自発的な分子集合系を構築できることが可能となった。(2)原子間力顕微鏡により,分子レベルでの膜タンパク質観察に成功し,膜タンパク質分子集合系の直接観察が可能となった。(3)RC-LH1と相互作用するPuxXポリペプチドを遺伝子工学的に大量発現させ,高純度で単離することに成功した。このポリペプチドはLH1複合体と強く相互作用することが再構成法による自己集合体形成能から明らかにされた。(4)電極基板上にRC-LH1の自己組織化単分子膜を形成させることに成功し,集光+電荷分離ユニットを統合した系の構築に成功した。これら得られた成果から,多成分系光合成膜タンパク質の分子集合形態とその機能との相関を調べることが可能となった。このことは,光合成系膜タンパク質集合体に限らず,他の膜タンパク質集合系への適用も可能であることから,これまで不明であった膜タンパク質の集合形態とその機能相関の解明に大きく寄与できると期待できる。
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