2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18550151
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小比賀 聡 Osaka University, 薬学研究科, 教授 (80243252)
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Keywords | 人工核酸 / オリゴヌクレオチド / アンチジーン / 遺伝子発現制御 / 転写制御 / 架橋型核酸 / DNA / 三重鎖核酸 |
Research Abstract |
今年度は、強固な三重鎖形成能を有する架橋型人工核酸BNAを含有するオリゴヌクレオチドに、各種の転写活性化因子をリクルートするための機能性を付与し、任意の遺伝子の発現を抑制するばかりでなく活性化させるための手法開拓を目指し研究を実施した。まず、標的となる二重鎖人工核酸に転写因子が結合するペプチド配列やDNA配列を導入したキメラ型分子の開発を行った。まず第一に、転写活性化能を持つとされる種々のペプチドと人工オリゴヌクレオチドとのゴンジュゲート体合成の検討を、クリックケミストリーを利用した新しい方法により実施した。また、別タイプの転写活性化法として、DNA配列を導入したキメラ型分子の創製も行った。これまでに申請者らが開発してきた新たな遺伝子発現抑制法である「アンチジーンブロック法」は、BNA修飾したオリゴヌクレオチドの末端にステムーループ構造を形成するDNAを結合することで、転写因子が標的とするDNA配列へ結合することを効果的に阻害し、転写の抑制を行うものであるが、ここではこの方法論を改良し、逆に転写因子をDNA上にリクルートするためのDNA配列を結合させた人工オリゴヌクレオチドを化学合成し転写の促進効果を検証した。その結果、各種培養細胞において、標的としたIL-2R遺伝子の発現を数倍程度促進するという非常に興味深い知見が得られた。これにより、生きた細胞内での遺伝子発現を抑制するばかりでなく活性化する道すじが開けたものと考えている。 また、本検討の過程で、「アンチジーンブロック法」では標的となる転写因子の結合部位はもちろんのこと、その下流のDNA配列に人工オリゴヌクレオチドが結合することで、効率的な転写制御が可能となるという予想外の知見を得ることにも成功している。
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Research Products
(6 results)