2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヘムオキシゲナーゼの酵素化学的検討とヘム分解マシーナリーへの展開
Project/Area Number |
18550153
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
坂本 寛 Kyushu Institute of Technology, 情報工学部, 准教授 (70309748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安永 卓生 九州工業大学, 情報工学部, 准教授 (60251394)
東元 祐一郎 久留米大学, 医学部, 准教授 (40352124)
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Keywords | 酵素反応 / 蛋白質 / ヘムオキシゲナーゼ / シトクロムP450還元酵素 / 熱測定 / 電子顕微鏡 / 構造解析 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
1.ラット由来HO-2のヘム調節モチーフ(HRM)を2つ含む30残基のペプチド(WT)及びCys残基のAla置換アナコグ(C264A、C281A、C264A/C281A)について、ヘムとの相互作用を解析した。4種のペプチドについてCDスペクトルをリン酸緩衝液中とTFE中で測定した結果、HRM近傍の二次構造はランダム構造であることが予測された。次に、ペプチドに対してヘムの滴定を行い、その吸収スペクトルを測定したところ、WT及びC264A、C281Aでは、ヘム滴定により可視部で特有な吸収の増大が観測された。一方、C264A/C281Aでは有意の吸収が観測されなかった。さらに、ヘムを添加した状態でMALDI-TOF-MSによる質量分析を行った。ペプチド由来のピークの他、WTではヘム結合型と思われる2つのピークが得られ、C264A、C281Aでは1つ得られた。一方、C264A/C281Aではペプチド由来のみが得られた。これより、HRMとヘムが相互作用していることが示唆された。 2.現在ヒトHO-1のSNPsによるアミノ酸置換として、D7H、P106L、R113H、Q152Hの4つが報告されている。そこで、ヒトHO-1の野生体と変異体の酵素活性を測定し、SNPsと酵素機能の関連性について検討したところ、P106L変異体は野生体の1割程度の活性しか示さなかった。一方、アスコルビン酸を用いた場合には、どの変異体についても酵素活性の低下は見られなかった。Pro106はCPR結合部位近傍に位置するためLeu置換によりCPRからの電子供与が機能していない可能性が示唆された。また、P106L変異体の解離定数(K_d)は野生体の15倍となり、ヘム分解のsingle turnover反応とCDスペクトル測定では野生体と大きな違いが見られた。
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