Research Abstract |
二酸化炭素による温暖化問題解決のため,電磁波による活性化を利用して,バイオマスその他の色々な燃料や有機化物から直接電力を発生できるデバイスを創製することを目的とした. バイオマスや燃料等の有機化合物を水溶液あるいは水に分散したスラリー状にし,電磁波(太陽光)により活性化して燃料電池の直接燃料として使用し,完全に分解するとともに,電力に変換できるデバイスを構築するための基礎的研究を行なった.色々なバイオマスの主成分である多糖類,タンパク質,セルロース,リグニン,或いはバイオマス由来の種々の有機化合物,アルコールなどの水溶液にナノ多孔質二酸化チタン光アノード電極を浸漬し,対極に酸素還元極を用いることにより,太陽光照射下でこれらの化合物を二酸化炭素にまで分解すると同時に,直接電力を発生できた.近い将来の実用化を目指して,光電気化学的な手法により基礎データの集積を行なって,燃料から電力へのエネルギー変換効率を高めるとともに,デバイス設計の最適化を目指した. 開放起電力(Voc),短絡電流密度Jsc,曲線因子(Fill Factor, F:F)を基本パラメーターとし,半導体光アノード(ナノ多孔質二酸化チタン)を中心とし焼成条件(温度,時間),膜厚などの最適条件を明らかにした.また,光源はキセノンランプ(白色光強度,500,100mWcm^<-2>),ソーラーシミュレータ(AM1.5,100mWcm^<-2>)を比較し,擬似太陽光でも作動できることが分かった.燃料としては,色々なバイオマス(セルロース,その他アガロース,カラゲニンなど代表的多糖類,リグニン,コラーゲン,ゼラチン),バイオマスから誘導される化合物についても光分解と直接発電特性を明らかにした.
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