Research Abstract |
電磁波活性化による燃料直接発電デバイスの基礎的研究で本年計画した基礎特性は,二酸化チタン多孔質膜光アノードと酸素還元カソードを用い,光照射時のサイクリックボルタモグラムおよび2極系光電池での開放起電力(Voc),短絡光電流密度Jsc,曲線因子(FF)であった.主に1cmx1cmサイズのアノードを用い,種々のアミノ酸水溶液め特性を明らかにし,また,計画した次の項目について: 1)芳香族アミノ酸を用い,芳香環が速やかに分解して炭素は炭酸ガスに,窒素は窒素ガスになることをガスクロ,紫外吸収スペクトル,NMR,および質量分析を用いて明らかに出来た. 2)上記方法により,アミノ酸の分解率は芳香族も含めて100%になることを確認した. 3)アンモニア濃度と光電流は比例した.これによりこれまでは薄い濃度のアンモニアしか分析できなかったが,濃い濃度も含めて5-6桁のダイナミックレンジにわたるアンモニアの分析が可能なことを明らかにした. 4)導電性ガラス以外の他の基盤電極として,ステンレス,チタン板などを検討したが,現在までのところは導電性ガラスが最も良いという結果になり,さらに今後の検討課題とすることにした. 5)実用化のためのモジュールの構成単位であるサブモジュールとして,10cmx10cmないし20cmx20cmサイズでも1cmx1cmセルに比べて特性が維持でき,大型化による実用化の目処がついた. 6)可視化試みとして,窒素ドープ二酸化チタンは活性があまり出なかった.また,増感剤はポリピリジンRu錯体,ポルフィリン,天然色素を検討したが,今後に残された課題である. 7)このほか特筆すべきことは,空気を吹き込むと特性が著しく改善することが分かり,太陽UV光を利用する実用化に向けての大きな足がかりを得た.
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