2007 Fiscal Year Annual Research Report
高導電率ダイヤモンドライクカーボンの創製と新規ナノ構造化電気化学デバイスの開発
Project/Area Number |
18550166
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
本多 謙介 Yamaguchi University, 大学院・理工学研究科, 准教授 (60334314)
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Keywords | 導電性DLC / 分極性電極 / テンプレート合成 / ナノ構造化材料 / ポーラスアルミナ |
Research Abstract |
平成18年度において確立した窒素ドープ法による導電性DLCの作製手法をベースとして、平成19年度には、DLC界面形状制御による電気化学反応コントロールを目指し、ナノポアアレイを有する陽極酸化アルミナを用いたテンプレート合成法により、DLC表面にナノオーダーの幾何構造を賦与し、ナノ構造の特異性と導電性DLC電極の優れた電気化学特性を合わせた新しい電気化学デバイスの開発を試みた。[1]ナノ構造化導電性DLC薄膜の創製と新しい電気化学アプリケーションの開発 (1)導電性DLCナノシート(2次元ナノ構造化DLC)の電気化学基礎特性と電気化学センサーへの応用アモルファスsp^3炭素であるDLCは、sp^2炭素を1/60程度含むことから、表面酸化により、カルボキシル基などのsp^3炭素表面には生成不能な官能基が生成する。これらの表面官能基は、脳内神経伝達物質であるドーパミン等の内圏型反応種の電荷移動速度を向上させ、ピーク電位を卑電位側にシフトさせるこの電位シフトにより、人体中の莢雑成分に阻害されることなく、体内のドーパミンを選択的に定量分析することが可能であった。DLCは、電気化学分析器へ適用可能な電極材料であることが判明した。 (2)DLCスルーホールメンブレン(3次元ナノ構造化DLC)とスイッチング・イオン透過フィルターの開発アルミナ表面の厚さ数nmでの導電性DLCコーティングにより、導電性DLCスルーホールメンブレンを作製した。DLCメンブレンをフィルター材料に適用し、ポアサイズと、メンブレン電位制御によるイオン透過性制御の可能性を検証した。ポア径25nmの導電性メンブレンへ貴電位を印加するとカチオン種の透過性が、卑電位印加ではアニオン種の透過性が抑制される効果が得られた。アニオン・カチオン混合試料に対しては、卑電位を印加によりカチオン種の選択的透過を実現したことから、ポアサイズとメンブレン電位制御により、イオンの透過性を任意に制御可能なイオン透過フィルターの実現に成功した。
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