2006 Fiscal Year Annual Research Report
コロイドフォトニック結晶のバルク体形成に対するせん断配向法の有効性の検討
Project/Area Number |
18550170
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
澤田 勉 独立行政法人物質・材料研究機構, 光材料センター, グループリーダー (40354378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
不動寺 浩 独立行政法人物質・材料研究機構, 光材料センター, 主任研究員 (20354160)
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Keywords | Colloidal crystals / Photonic crystals / Crystal growth / Shear effects / Gelation |
Research Abstract |
本研究は、コロイド粒子から構成されるフォトニック結晶の、バルク単結晶体を短時間で形成するための高速プロセスとなりうる、新しい製造原理の特性を明らかにし、フォトニック結晶材料の現実化に貢献することを目的とする。バルク単結晶体を形成するための本提案の原理は、多結晶体のコロイド結晶を出発状態として、これを強く流動させることによりせん断速度の場を発生させ、単結晶的に配向させるものである。平成18年度は、均一なせん断速度場を形成するオリジナル装置を用いて、せん断配向法による単結晶化が、ミリサイズの厚さの試料に有効に働きうるかどうかを調べた。せん断処理したコロイド結晶を、動的スペクトル測定により評価したところ、せん断速度の関数として、ストップバンド以外の波長帯における透過率の劇的な上昇と飽和現象が確認された。このことは、ミリサイズの厚い試料についても、せん断処理が有効に働いていることを強く支持している。ただし、飽和状態における透過率が、単結晶的配向の完成を意味しているかどうかの定量的な検討は、さらに進めていかなければならない。せん断処理された厚い試料の、光開始重合によるゲル固定化も試み、自立するゲル体にすることができた。しかし、ゲル化前後において、明らかな光学特性の劣化が認められ、ゲル固定化による粒子配列の乱れを生じてしまっているようである。薄膜試料による実験から、光照射が不十分である場合にこのような現象が起こることが明らかになり、結晶が厚いことによる光の減衰が、今回のゲル化による特性劣化を引き起こしているものと考えている。ゲル固定した試料によって、せん断処理の効果を評価するためには、より光照射効果を向上させることが必要である。この点は、今後の検討課題として残された。
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Research Products
(1 results)