2006 Fiscal Year Annual Research Report
有機スピントロニクスを目指したナノ単結晶デバイスの作製と評価
Project/Area Number |
18550172
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
長谷川 裕之 独立行政法人情報通信研究機構, 第一研究部門未来ICT研究センターナノICTグループ, 特別研究員 (10399537)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 真生 東京大学, 物性研究所, 助手 (80376649)
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Keywords | 有機導体 / ナノワイヤ / 電解結晶成長 / ナノ電解法 / 磁場効果 |
Research Abstract |
本年度は、・局在スピンを含むフタロシアニン系分子の合成、・電極基板の作製、・ナノ電解法によるナノ単結晶作製、・磁場中での特性評価について実験を行った。 ・局在スピンを含むフタロシアニン系分子の合成 比較実験用の局在スピンを持たないジシアノコバルト(III)フタロシアニンを合成した。コバルトフタロシアニンとシアン化カリウムを加熱還流することによってジシアノコバルト(III)フタロシアニンのカリウム塩を得た。これとテトラフェニルホスホニウム・プロミドとの複分解でテトラフェニルボスホニウム・ジシアノコバルト(III)フタロシアニンを得た。 局在スピンを有するジシアノ鉄(III)フタロシアニンはコバルトと同様の処理後、テトラフェニルボスホニウム塩を臭素で酸化することによって得られた。 ・電極基板の作製 ボトムゲート構造とするため、基板には酸化膜付き高ドープシリコン基板を用いた。シリコン基板の酸化膜厚は200nmで、Pドープ型のものを用いた。基板上にフォトリソグラフィもしくは電子線リソグラフィによって電極を2つ作製した。これらの電極は互いに先端部分が接近するように作製され、そのギャップは10μmであった。当初用いていたウエハーの酸化膜に問題があったため、後半はエピウエハー(酸化膜200nm、Nドープ型)を用い、同様の作製を行った。 ・ナノ電解法によるナノ単結晶作製 ナノ電解セルを用い交流による電解を行い、上記基板を用いて2つの電極の間にナノワイヤを橋渡し形成させた。局在スピンを持たないナノワイヤ及び局在スピンを有するナノワイヤの作製を行った。局在スピンを持つナノワイヤの作製についてはこれまで例がないため、種々の条件で電解を行い、良好なナノワイヤが得られる条件を検討した。得られたナノワイヤは走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察を行い、橋渡し形成されていることを確認した。 ・磁場中での特性評価 強磁場中で測定するための機構の開発を行った。まず、ブランクとして中心金属がスピンを持たないコバルトについて磁場中での特性測定を行った。光学応答が見られたため、電極付きのシリコン基板だけで特性測定を行い、物質由来であるかの評価を行った。
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Research Products
(1 results)