2006 Fiscal Year Annual Research Report
特異的光挙動を示すピラゾリン類を用いた電子伝達系の構築
Project/Area Number |
18550173
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
北村 彰英 千葉大学, 普遍教育センター, 教授 (00143248)
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Keywords | 光化学 / 光物性 / 電子移動 / 光スイッチ / 有機化学 |
Research Abstract |
アゾアルカン類の光誘起電子移動反応では、一般に脱窒素したラジカルカチオン種が発生することが知られている。今回、共役系ピラゾリン誘導体を用いることにより、脱窒素していないラジカルイオン種の発生を確認するとともに、照射波長により電子移動を制御することに成功した。 合成した共役ピラゾリン誘導体に対して適切な吸収を持つ増感剤を選択し、アゾ化合物が一電子酸化あるいは一電子還元されることで発生するイオンラジカル種の吸収が観測されることを期待し、電子移動型増感剤励起による過渡吸収スペクトルの測定を試みた。種々の電子受容型増感剤、あるいは電子供与型増感剤を試みたところ、ピリリウム塩ではラジカルカチオン種が、キノリン類ではラジカルアニオン種が観測された。いずれも脱窒素していない、すなわち共役ピラゾリンそのもののイオンラジカル種の吸収であり、初めての観測である。特に、ラジカルアニオンの観測はアゾアルカン類からの過渡吸収として初めての例になる。 これらの結果に基づいて、特にラジカルアニオンの発生の機構を精査した。種々の溶媒や増感剤を用いて過渡吸収を観測し、その波長等を精査したところ、増感剤がアミン系で、かつ溶媒がアセトニトリルのときに観測されることがわかった。反応機構としてはアセトニトリルを媒介とした電子移動が考えられる。以上の現象を組み合わせることにより、この反応系において電子移動促進ならびに抑制を制御することが可能と考えており、今後研究を展開する予定である。
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Research Products
(3 results)