2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18550174
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小倉 克之 千葉大学, 工学部, 教授 (60114253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 祥治 千葉大学, 工学部, 助手 (50302534)
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Keywords | 金属光沢 / トリシアノエテニル誘導体 / 有機π電子系 / 薄膜材料 / 電気伝導性 |
Research Abstract |
本研究は、中性有機π電子系の分子間相互作用を可能にする機能団「トリシアノエテニル(TCE)基」を最大限利用することにより、有機π電子系を凝縮させ、種々の金属色色材などの機能性材料を開発することを目的としている。さらに、薄膜化を指向した材料の開発をも目差すものである。今年度の研究で、以下の成果を上げることができた。 1)金属色発現の理論的考察:1-アリール-2,5-ジチエニルピロールπ系にTCE基を導入した化合物は金属光沢結晶を与えるが、単結晶の各面での光の反射吸収を、偏光を用いて詳細に調べた結果、TCE基とピロールπ系とが分子間で連続的に近づくことが金属反射に重要であることを明らかにした。 2)金属光沢発現分子の設計と結晶構造解析:これまでの研究で取り上げた1-アリール-2,5-ジチエニルピロールπ系のとしてチエニル基を種々の芳香族基に換え、TCE基を導入することによっても金属光沢結晶を与えることが分かった。 3)機能性金属色色材の設計と合成:1-アリール-2,5-ジチエニルピロールπ系をカルボニルや2,2-ジシアノエテニル基で交差共役系に2個連結させたπ系を合成する手法を確立した。 4)簿膜金属光沢材料の開発:TCE基置換ジフェニルアミノ基を2個あるいは3個置換した化合物が、金属光沢薄膜を形成することを見いだした。置換の母核は、ベンゼン環やキシレン体でよく、後者の場合はメチル基に導入するもので、合成が容易に行うことができる。いずれも、安定な金属光沢薄膜となった。
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