2006 Fiscal Year Annual Research Report
加水分解反応の協同的制御による酸化物-糖アルコールナノ複合構造の合成とその応用
Project/Area Number |
18550177
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
上川 直文 千葉大学, 大学院自然科学研究科, 助教授 (60282448)
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Keywords | ナノ複合体 / 酸化チタン / 糖アルコール / 安定分散系 |
Research Abstract |
本年度は酸化物-糖アルコール複合体の生成挙動と複合体の加水分解反応特性について重点的に検討を行った。以下検討結果について列挙し説明することとする。 (1)チタンアルコキシドの多価アルコールないし糖アルコール水溶液中での加水分解反応挙動の検討。 チタンイソプロポキシド(TIP)を多価アルコールおよび糖アルコール水溶液中に滴下し95℃,24h静置し加水分解反応を行った。この結果、水溶液中の糖アルコール濃度が増加するとTIPの加水分解生成物の結晶性が低下し最終的にアモルファスなTiO_2-糖アルコール複合体が生成する事が明らかとなった。また、糖アルコールの価数が増加すると、より低い濃度から複合体の生成が始まることを明らかにした。これは糖アルコール分子中の水酸基が強く遷移金属イオンに配位するためであると考えられる。特に、6価の糖アルコールであるD-マンニトールやD-ソルビトールの0.1mol/l水溶液中でTIPを95℃にて加水分解した場合、TiO_2と糖アルコール分子が脱水縮合した形の複合体構造が生成することを明らかにした。 (2)TiO_2-D-マンニトール複合体の酸処理によるTiO_2-D-マンニトール複合体ナノ粒子の安定分散系の調製と光触媒活性の検討 TiO_2-D-マンニトール複合体を0.5MのHNO_3水溶液中にて55℃から95℃で24h加熱処理することによって複合体ナノ粒子が安定に水溶液中に分散したゾルを形成することを見出した。複合体粒子はアナターゼ型の結晶構造を有しておりその粒径は加熱処理温度が55℃から95℃へ増加すると9nmから55nmへと増加した。これは複合体がHNO_3水溶液中で溶解した後再度析出する溶解再析出機構によりTiO_2-D-マンニトール複合体ナノ粒子が生成することを明らかにした。
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Research Products
(2 results)