2006 Fiscal Year Annual Research Report
レドックス活性なマンガン酸化物系層状ナノコンポジットの電気化学形成
Project/Area Number |
18550179
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
中山 雅晴 山口大学, 大学院理工学研究科, 助教授 (70274181)
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Keywords | マンガン酸化物 / ポリカチオン / PDDA / PAH / ナノコンポジット / 層構造 / 電気化学 / 薄膜 |
Research Abstract |
カチオン性の強電解質ポリマー(ポリジアリルジメチルアンモニウム塩化物,PDDA)あるいは弱電解質ポリマー(ポリアリルアミン塩酸塩,PAH)をインターカレートした層状マンガン酸化物ナノコンポジットを電気化学的手法によって多結晶白金板上に薄膜として合成した。そのプロセスは電解質ポリマー存在下でMn^<2+>水溶液を定電位酸化(+1.0V vs Ag/AgCl)することによる。PDDAは完全に解離しているため,Mn酸化物層の負電荷を効率良く補償し,密にパッキングしたコンポジットをもたらす。層間距離は0.97nmと見積もられた。一方,PAHは正に帯電したサイト(-NH_3^+)の他に中性サイト(-NH_2)をもつ。さらに正荷電サイトの一部はCl^-とイオン対を形成していることが分かった。その結果,電荷補償に必要なポリマー含有量が大きくなり,層間の広がった生成物を与え,その層間距離は1.19nmであった。いずれのコンポジットにおいても層間ポリマーは液相の小サイズカチオンとイオン交換しない。 PDDA/Mn酸化物をKCl水溶液中で還元すると密にパッキングされた層間に電荷補償のためにK^+イオンの挿入されることで層間が広がり,やがて層構造が崩壊した。一方,PAH/Mn酸化物は層構造を維持したままMn^<3+>/Mn^<4+>の酸化還元による良好な電気化学応答を示した。この応答は電解液のpHに依存した。X線光電子分光法によると,還元によるMn酸化物層の負電荷の増加は層間PAHの-NH_3^+Cl^-サイトから遊離したプロトンによって電気的にバランスされる。このとき,Cl^-は不要になり,層間から液相に放出される。酸化過程ではこの逆が起こると考えられる。
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Research Products
(6 results)