2006 Fiscal Year Annual Research Report
粒子サイズを制御した金属担持光触媒による有機塩素化合物の無害化
Project/Area Number |
18550180
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
山崎 鈴子 山口大学, 大学院理工学研究科, 教授 (80202240)
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Keywords | 光触媒 / 薄膜 / 金属担持 / 環境材料 |
Research Abstract |
スピンコーティング法を用いてガラス上に酸化チタン薄膜を作成し、種々の反応条件下で鋼イオンの光還元析出を行い、薄膜表面を走査型電子顕微鏡で観察した。犠牲ドナーとしてギ酸ナトリウムを添加し、銅イオンの初期濃度(5〜200mg/L)と光照射時間を変化させて、銅がナノサイズ粒子として全体に析出した薄膜と、大きな粒子として孤立した島状に析出した薄膜を作製し、それらの作製条件を明らかにした。銅の粒子サイズと分布の異なる薄膜を500℃で焼成して、水中でも銅が剥離しない銅担持光触媒薄膜を作製した。まず、メチレンブルー色素の光触媒分解を行って光触媒活性について比較したところ、同じ銅粒子の担持量であっても、島状に析出させた場合の方が高い光触媒活性を示すことがわかった。薄膜の透過率測定の結果から、小さな鋼粒子が薄膜全体に析出している場合には酸化チタン表面へ届く光の量が低下するのに対して、島状に析出した場合には酸化チタンへも十分な光が到達していることがわかった。さらに、鏑を担持することによりメチレンブルーの水中での分解が促進できたので、鏑の最適担持量を求めた。しかし、反応溶液にたえず空気をパージして溶存酸素濃度を一定に保って実験した場合には、銅を担持しない場合に最大の光触媒活性を示し、銅担持による促進効果は得られなかった。このことから、銅粒子が励起電子をトラップすることにより、酸化反応の担い手であるホールが再結合による消失を免れ、促進効果が得られることがわかった。以上のように、粒子サイズを制御して島状に析出させて作製した銅担持光触媒薄膜は、空気を反応溶液にパージしなくても、高い光触媒活性を示す優れた光触媒であることがわかった。 メチレンブルーの分解実験で得られた最適な担持量の銅担持光触媒薄膜を用いて、トリクロロエチレンの分解を行うために、購入したガスクロマトグラフを用いて、トリクロロエチレンの分析法および気相反応に用いる反応装置の作製も行った。
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