2007 Fiscal Year Annual Research Report
パルス電流を用いた電気化学的手法による酸化亜鉛のシリコン直上成長と太陽電池応用
Project/Area Number |
18550181
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
芦田 淳 Osaka Prefecture University, 工学研究科, 講師 (60231908)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池永 明 大阪府立大学, 工学研究科, 准教授 (60128759)
脇田 和樹 千葉工業大学, 工学部, 教授 (80201151)
沈 用球 大阪府立大学, 工学研究科, 助教 (20336803)
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Keywords | 酸化亜鉛 / 電気化学 / パルス電流 / 薄膜成長 / 太陽電池 / 結晶成長 |
Research Abstract |
電気化学的手法による酸化亜鉛薄膜の作製を試み、次の成果を得た。 1.紫外線照射効果 光再溶解による欠陥形成抑制と成長した酸化亜鉛の電気抵抗率低減を目的に、結晶成長中に紫外線照射を行った。照射光として短波長(253.7nm)と長波長(365.0nm)の2種類の紫外光を試みたが、短波長の場合は非照射(暗中)の場合とほとんど差が無く、その効果は認められなかった。これは電解液による吸収が大きく、紫外光のほとんどが成長表面に到達できていなかったためと思われる。一方波長365.0nmの紫外光を照射した場合には、成長結晶粒はシャープな直線のエッジを有する六角柱状となり、また抵抗率低減によると思われる電解電位変動の抑制も確認された。さらに、特にSi基盤を用いた場合に基板の表面清浄化に有効であることが分かった。 2.溶液濃度 種々の濃度の溶液を用いて、まず得られた酸化亜鉛膜の結晶粒径の変化を調べた。その結果、硝酸亜鉛濃度がおよそ0.12mol/L以下の領域では、濃度が大きくなるほど粒径が大きく(粒の密度が小さく)なった。これは基板側からの電子供給よりも、溶液側からのイオン供給が律速になっているものと考えられる。ちなみに厚さ数nmと仮定した電気二重層中に存在する亜鉛イオンの面密度は、成長最表面のイオンの面密度の1/100程度しかなく、この点からもイオン供給律速が示唆される。一方溶液濃度をより大きくした場合には、粒径は溶液濃度に依存せずほぼ一定である。従ってこの場合は必要十分な亜鉛イオンが成長面に供給されており、電解に要する電子の供給(電流)が律速となっているといえる。以上より、高品位ZnO結晶を得るために定電流供給で成長速度を制御しようとする場合、上記の境界値以上のイオン濃度の電解液を用いる必要があることを明らかにした。
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Research Products
(4 results)