2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18550184
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
田村 堅志 独立行政法人物質・材料研究機構, 光触媒材料センター, 研究員 (80370310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 裕久 独立行政法人物質・材料研究機構, 光触媒材料センター, グループリーダー (00343848)
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Keywords | ナノコンポジット / 層状珪酸塩 / 層間化合物 / インターカレーション / セリサイト / 剥離 / 高分子複合材料 |
Research Abstract |
本年度は下記の検討項目に取り組んだ。 1.非膨潤性層状珪酸塩の有機修飾化 非膨潤性層状珪酸塩には、雲母粘土鉱物のセリサイト(層間陽イオンはK)を使用した。はじめに天然セリサイト粉末を空気分級によって粒度分布が制御された試料に調製した。そしてセリサイトへのドデシルアンモニウム(C12)イオンのインターカレーション挙動を調べるため、C12濃度と反応時間の関係について調べた。得られた層間化合物を粉末X線回折、赤外分光分析、熱重量測定、化学組成分析、蛍光X線分析によって評価した。比較試料には膨潤性層状珪酸塩のモンモリロナイトとNa型フッ素四珪素雲母を使用した。実験の結果、セリサイト層間のKイオンとC12イオンのイオン交換は、C12水溶液のイオン強度の増加に伴って交換比率と交換速度が増加することが明らかになった。このイオン交換挙動は、層間イオンがNaの膨潤性層状珪酸塩と比べると極めてゆっくりとした反応である。セリサイト系の最終生成物は、膨潤性層状珪酸塩の場合と異なり(擬似三分子層構造)、パラフィン型構造の層間化合物が得られた。 2.非膨潤性層状珪酸塩を用いたナノコンポジットの調製 上記の層間化合物とポリアミド6(PA6)とを溶融混練法により複合化してコンポジットを調製した。PA6中での珪酸塩層の分散状態はX線回折および透過型電子顕微鏡観察により調べた。その結果、セリサイトにおいてもモンモリロナイトと同様に1層(厚み1nm)のレベルまで剥離分散させることが可能であり、高いアスペクト比のナノシート分散系を得ることできた。PA6に5質量%の有機修飾セリサイトを複合化したナノコンポジットは、高比剛性、高バリヤ性を示すことが確認された。今後、高分子中での分散ナノシートのアスペクト比とそれらの物性との関係を明らかにしていく予定である。
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