2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18550184
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
田村 堅志 National Institute for Materials Science, 光触媒材料センター, 研究員 (80370310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 裕久 独立行政法人物質・材料研究機構, 光触媒材料センター, グループリーダー (00343848)
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Keywords | ナノ物質 / 複合材料・物性 |
Research Abstract |
複合材料を構成する強化材を超微粒子化した「ナノコンポジット」は、材料強度の向上だけではなく、新しい機能性材料としても注目されている。我々は、従来から研究されている粘土一高分子ナノコンポジットをさらに進化させて、粘土の代わりに天然マイカを厚み1nmレベルで剥離分散させたナノコンポジット製造に成功した。天然マイカを1層レベルまで剥離させるとアスペクト比(長さ/厚み比)を飛躍的に増大させることができるため、従来の粘土系高分子ナノコンポジッ・トと比べてガスバリア性や材料強度を大幅に改善することができる。工業的にも広く使われている天然マイカを一層レベルにまで層剥離させて高分子と複合化したナノコンポジットの研究例は他に類がない。 更に、我々独自の方法(剥離層と未剥離層が規則的順序で積層した混合層珪酸塩の合成によって)でナノコンポジット中の分散粒子の層数制御技術に取り組んだ。その結果、分散粒子の積層枚数を均一に2層、3層で分散制御したエポキシ系ナノコンポジットの製造に成功した。この技術はナノコンポジットの性能制御や新たな機能付与など多様なナノコンポジットの創製が期待できる。その他に基礎的な検討として、分散粒子のモルフォロジー(アスペクト比)とナノコンポジットの物性(機械的性質、ガスバリア性など)との関係を明らかにした。
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