2007 Fiscal Year Annual Research Report
デンドリマーをコマンド分子とした3次元精密構造制御による電子・光機能化
Project/Area Number |
18550186
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
米竹 孝一郎 Yamagata University, 大学院・理工学研究科, 教授 (30143085)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽場 修 山形大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (70261328)
高橋 辰宏 山形大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (60344818)
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Keywords | デンドリマー / 液晶 / 垂直配向 / アゾベンゼン / 光異性化 / 磁場配向 / フェニルナフタレン / 有機半導体 |
Research Abstract |
本研究はデンドリマーの規則的に枝分かれした特異的な分子構造に,液晶の自己組織性を付与した「液晶性デンドリマー」を合成し,磁場・光・電場などの外場を複合的に印加して,高次構造を3次元的に精密制御することにより,従来にない電子および光学的機能を有する薄膜材料及びその成形法を開発することを目的としている。この外場応答性の高い液晶性デンドリマーを構造制御の「コマンド分子」として基板界面やバルクを精密に構造制御する方法を構築,光メモリー,ホログラム用回折格子,有機半導体などの薄膜材料の開発を行った。 ポリプロピレンイミンデンドリマー末端にアゾベンゼンを付加した第2および第3世代の液晶性デンドリマーは光異性化により,比較的容易に表面レリーフを形成できることを見出し,回折格子やホログラム材料に応用できることを明らかにした。さらに,光と磁場を利用することにより,分子が基板面に垂直・水平・傾斜配向した薄膜の形成に成功し,回折格子をレリーフ形状に加えて分子配向の違いも付与することに成功し,より高い回折能が期待される。一方,デンドリマー末端にキャリア移動度の高いフェニルナフタレン基を付加することにより室温から100℃以上の広い温度範囲に渡って熱力学的に安定なスメクチック液晶性を付与することを可能とした。いずれも低温からスメクチックE,スメクチックB,スメクチックA液晶相を示し,この温度範囲において10^<-3>cm^2/Vsというフェニルナフタレン低分子液晶と同等のキャリア移動度を達成することに成功した。さらに,デンドリマー薄膜特有の自発的垂直配向性に加えて磁揚や電界を印加することにより,トランジスタ構造に対応した配向構造を形成できることを明らかにした。さらにキャリア移動度の高いメソゲンを付加すれば,実用的な有機半導体になると期待される。
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Research Products
(4 results)