2006 Fiscal Year Annual Research Report
管壁にメソ細孔を持つ酸化チタンナノチューブの構造制御と環境浄化プロセスへの応用
Project/Area Number |
18550189
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
中根 幸治 福井大学, 大学院工学研究科, 助手 (50292446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小形 信男 福井大学, 大学院工学研究科, 教授 (70108249)
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Keywords | 環境材料 / 触媒・化学プロセス / ナノ材料 / ナノチューブ・フラーレン |
Research Abstract |
エレクトロスピニング法で形成したポリビニルアルコール(PVA)ナノファイバーをチタンアルコキシド溶液に浸漬させることにより,スキン-コア型有機-無機ハイブリッドナノファイバーを形成した(スキン:PVA-Tiアルコキシドハイブリッド,コア:PVA).このハイブリッドナノファイバーを熱処理することによりPVAを熱分解させ,中空の酸化チタン(TiO_2)ナノファイバー(以下,TiO_2ナノチューブ)を得た. 得られるTiO_2ナノチューブの構造制御を試みた.TiO_2ナノチューブの内径は,使用したPVAナノファイバーの繊維直径とほぼ同じであったため,PVAナノファイバーの繊維径を制御することによりTiO_2ナノチューブの内径が制御できることがわかった.しかしながら,繊維径が170nm(あるいはそれ以下)の場合,中空構造を持たないナノファイバーが得られ,600nmの場合はナノチューブの管壁にクラックが生じた.従って,本実験で形成することができるナノチューブの内径の範囲は200〜500nm程度であった.次に,チタンアルコキシドの種類及び溶媒を変えることにより,TiO_2層厚の制御を試みた.反応溶液としてチタン酸テトライソプロピル(TTIP)10wt%エタノール溶液を使用した場合の平均層厚は85nmであり,TTIP10wt%ヘプタン溶液を使用した場合の平均層厚は72nmであった.一方,チタン酸テトラーn-ブチル10wt%エタノール溶液を使用した場合の平均層厚は65nmであった.これらより,チタンアルコキシドのPVA内部への浸透性とPVAとの相互作用の強さがチューブ層厚に影響を与えていることが示唆された. TiO_2ナノチューブを用いたメチレンブルーの光酸化分解を行ったところ,優れた触媒能を示すことがわかった.アナターゼ型ナノチューブ(熱処理温度500℃,600℃),ルチル型ナノチューブ(熱処理温度700℃)共に,市販アナターゼ型TiO_2微粒子(平均粒子径20nm)の光触媒能と同等あるいはそれ以上の性能を有することを確認した.
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Research Products
(2 results)