2007 Fiscal Year Annual Research Report
管壁にメソ細孔を持つ酸化チタンナノチューブの構造制御と環境浄化プロセスへの応用
Project/Area Number |
18550189
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
中根 幸治 University of Fukui, 大学院・工学研究科, 助教 (50292446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小形 信男 福井大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70108249)
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Keywords | 環境材料 / 触媒・化学プロセス / ナノ材料 / ナノチューブ・フラーレン |
Research Abstract |
エレクトロスピニング法で形成したポリビニルアルコール(PVA)ナノファイバーをチタンアルコキシド溶液に浸漬させることにより、スキンーコア型有機-無機ハイブリッドナノファイバー(前駆体)を形成した(スキン:PVA-チタンアルコキシドハイブリッド、コア: PVA)。このハイブリッドナノファイバーを熱処理することによりPVAを熱分解させ、中空の酸化チタンナノファイバー(以下、TiO_2ナノチューブ)を得た。 得られたTiO_2ナノチューブの管壁には、直径10nm以下のメソ細孔が存在することが窒素吸着法により示唆された。そこで、前駆体の熱処理温度や熱処理時間がTiO_2ナノチューブのメソ細孔や光触媒能に与える影響を調べた。熱処理時間を一定とした揚合、熱処理温度が高いほどシンタリングの影響が顕著にみられ、比表面積、細孔容積、平均細孔直径は大きく低下した。熱処理温度400〜600℃はアナターゼ、700℃はアナターゼ/ルチル混合、800℃はルチルのTiO_2ナノチューブとなった。TiO_2ナノチューブを用いたメチレンブルーの光触媒分解を行ったところ、熱処理温度600℃で得られたTiO_2ナノチューブの光触媒能が最も優れていた。熱処理温度を一定(600℃)とした場合、熱処理時間(3〜48時間)が長くなるほど細孔特性は徐々に低下したが、X線回折強度にはほとんど違いは見られなかった。光触媒能は徐々に低下した。これらより、本ナノチューブの形成において、熱処理を長時間行う必要はないことがわかった。 本アナターゼ型ナノチューブ、ルチル型ナノチューブ共に、市販アナターゼ型ナノ粒子(平均粒子径20nm)の光触媒能と同等あるいはそれ以上の性能を示した。
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Research Products
(2 results)