2006 Fiscal Year Annual Research Report
高分子/ナノフィラー材料におけるフィラーの三次元配置解明
Project/Area Number |
18550194
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
陣内 浩司 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 助教授 (20303935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 幸宏 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 助手 (60332285)
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Keywords | 透過型電子線トモグラフィー法 / ナノコンポジット / 損失電子エネルギー分光法 / 三次元計測アルゴリズム / 電子線ダメージ低減 |
Research Abstract |
本年度は、高分子/ナノフィラー系について、三次元電子顕微鏡(3D TEM)による三次元観察の基礎を確立することに注目した。まず、粘土鉱物・カーボンブラック・カーボンナノチューブなどを高分子にナノ分散させた試料の電子顕微鏡における撮影条件の最適化を行った。電子線トモグラフィー法における電子線ダメージの低減のため、1枚の透過像を撮影するために必要な最小の時間を試料毎に決定し、トータルの撮影時間を最小限に留めるための最適化を行った。また、高分子中にカーボンブラックとシリカナノ粒子の両方を含んだナノコンポジットに対して、損失電子エネルギー分光法(EELS)を用いることで、2種類のフィラーの識別を可能とし、同時に三次元再構成を組み合わせることで元素識別三次元イメージングを初めて行った。 三次元画像の解析面では、高分子/ナノフィラー材料の諸物性と関係深い(と考えられている)構造パラメーターを求めるアルゴリズムの開発を行った。今年度は、ナノフィラーの一つ一つの形態・異方性、材料内でのナノフィラーの配向を三次元画像から計測することに成功した。また、高分子ナノ構造にパラジウムナノ粒子を担持した材料に対する検討も行い、パラジウムナノ粒子の粒径分布・担持体への埋没度を計測するアルゴリズムも考案した。この結果は、学術論文として、H.Jinnai et al., The Chemical Record, 6, 267 (2006)に発表した。
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Research Products
(6 results)