2007 Fiscal Year Annual Research Report
ポリカチオンの多点吸着効果を利用する核酸選択吸着剤の開発
Project/Area Number |
18550198
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
坂田 眞砂代 Kumamoto University, 大学院・自然科学研究科, 助教 (60187391)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 満 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (40363519)
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Keywords | DNA吸着 / ポリカチオン / ジメチルアミノプロピルアクリルアミド / リガンド / セルロース粒子 / イオン相互作用 / 細孔径 / イオン強度 |
Research Abstract |
本年度は、主に、実用化に向けての核酸(DNA)吸着実験のスケールアップの検討のため、カラム法を用いて、DNA吸着容量に及ぼすアミノ化セルロース粒子のリガンドおよび基体の細孔径(M_<lim>)の影響について調査した。 1.粒子の細孔径(M_<lim>)が1×10^3(cellulose-S)から数万(cellulosb-L)を増大させることにより、粒子のDNA吸着容量は増大した。とくに、基体にcellulose-L粒子を用い、リガンドとしてポリエチレンイミン(PEI)およびポリジメチルアミノプロピルアクリルアミド(PDAPA)を用いた場合、両粒子のDNA吸着容量は、各々の粒子1mL-カラム当たり3.7mgおよび3.2mgと非常に高い値が得られた。 2.1.7mLのPDAPA-cellulose-L吸着剤を充填したカラムを用いて、γ-グロブリンとサケ精巣由来DNAとの混合液からのDNAの選択除去を試みた結果、60mLのDNAを含むγ-グロブリン溶液からγ-グロブリンを吸着することなく(回収率98%)、10μg/mLのDNA濃度を10ng/mL以下に除去することができた。 3.DNAを吸着した(2)のカラムを緩衝液で洗浄後、2molの塩化ナトリウム水溶液を通液するとDNAのみが溶出してくることより、同粒子はDNA精製用カラムとしても応用可能であることが分かった。一方、PEI-cellulose-L充填カラムは、DNAとともにγ-グロブリンの吸着も引き起こすため、γ-グロブリンの回収率は82%であった。
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