2006 Fiscal Year Annual Research Report
希土類とアクセプタを共添加したデラフォサイト酸化物による導電性酸化物蛍光体の開発
Project/Area Number |
18560006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
坪井 望 新潟大学, 自然科学系, 助教授 (70217371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 敏志 新潟大学, 自然科学系, 教授 (30018626)
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Keywords | デラフォサイト / CuYO_2 / CuLaO_2 / 希土類添加 / 導電性酸化物蛍光体 / 共添加 / 蛍光体 / 透明導電性酸化物 |
Research Abstract |
透明p形導電性酸化物として注目されているデラフォサイト型酸化物で,固相反応法により希土類不純物(R : Eu, Tb, Tm, Ce)を添加したCu (Y_<1-x>R_x)O_2及びCu (La_<1-x>R_x)O_2試料の作製を試みた。Eu, Tb及びTm添加試料はデラフォサイト構造を有していた。それらの格子定数αの添加量xに対する線形変化が,Y^<3+>,La^<3+>及びR^<3+>イオン半径と添加量xを基にした概算変化値と対応していたことから,添加希土類RがY及びLaサイトを置換していると考えられる。Ce添加ではセリウム酸化物などの異相が出現し,格子定数変化は観られなかった。Eu, Tb及びTm添加試料では,無添加試料でのCu^+局在中心内遷移によるブロードな発光帯が消失し,R^<3+>のf-f遷移発光線が観測された。この結果もEu, Tb及びTmがY及びLaサイトを置換していることを支持している。Eu^<3+>及びTb^<3+>のf-f遷移発光強度が最大となる添加濃度(8〜10%付近)に比べ,Tm^<3+>のそれ(0.5%付近)は小さかったことは,希土類添加ZnSでの報告のようにTm^<3+>の非発光交差緩和過程が関与している可能性がある。発光の希土類添加濃度依存性や励起スペクトルの明確化を図り,母体による違いの検討につなげたい。Eu, Tb及びTmのf-f遷移発光強度が最大となる条件でアクセプタ不純物Caとの共添加試料Cu (Y_<1-x1y>R_xCa_y)O_2を作製したところ,Ca添加濃度の増加と共に導電率が増加する一方で,R^<3+>イオンのf-f遷移発光強度が減少した。これはCaがYサイトを置換したアクセプタとなることに加えて,R^<3+>イオンの電子状態に影響を与えることを示唆している。今後,Cu (La_<1-x-y>R_xCa_y)O_2試料も作製し,希土類とアクセプタの共添加条件による発光及び導電性の制御性を明確化し,導電性酸化物蛍光体の開発につなげたい。
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