2006 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ波直接加熱による高移動度多結晶シリコン・ゲルマニウム薄膜作製技術の開発
Project/Area Number |
18560007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
中川 清和 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 教授 (40324181)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 哲也 山梨大学, クリーンエネルギー研究センター, 助教授 (60252011)
山中 淳二 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 助教授 (20293441)
澤野 憲太郎 武蔵工業大学, 付置研究所, 助手 (90409376)
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Keywords | マイクロ波加熱 / 多結晶シリコン / 多結晶シリコン・ゲルマニウム |
Research Abstract |
本研究では、マイクロ波直接加熱法を用いてガラス上の非晶質SiまたはSiGeのみを選択的に急速加熱・冷却する技術開発を行い、結晶粒径の制御法を開発する。さらに、本技術により作製した多結晶半導体薄膜上に電界効果トランジスタ試作・評価を行い、本技術にフィードバックをかけ、技術のブラッシュ・アップを行うことを目的として研究を推進している。 平成18年度は、マイクロ波加熱装置の基本的な加熱データの収集を行った。用いた薄膜半導体試料は、ガラス基板上に分子線成長法で非晶質Siを100nm堆積し、さらに、非晶質Si膜上に30nm程度の膜厚の金属ニッケル膜を選択的にある領域に形成して試料とした。非晶質Siの誘電率が小さいためにマイクロ波のエネルギー損失が起きないために加熱が困難であることからニッケル膜を堆積している。 得られた結果を以下に記述する。 1.ニッケル膜中でマイクロ波による誘導電流が流れ、ジュール損失によりニッケル膜が過熱される。 2.ニッケル膜が加熱されることにより近傍の非晶質Si膜か加熱され、自由電子、自由正孔が生じ、このため非晶質Si膜でジュール損失による加熱現象が生じる。 3.加熱された非晶質Si膜に接する非晶質Si膜にさらに自由電子、自由正孔が生じ加熱され、連鎖反応的に膜全体の温度が20秒程度で1000℃となる。 4.上記の機構で加熱された試料はラマン分光法と透過電子顕微鏡観察で結晶化していることを確認した。さらに、 5.マイクロ波照射時の真空度に試料の加熱温度が依存することを明らかにした。
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