2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18560012
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平本 昌宏 Osaka University, 大学院・工学研究科, 准教授 (20208854)
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Keywords | P-I-N接合有機太陽電池 / フラーレン / セブンナイン / 結晶析出昇華精製 / 効率5.3% / 可視光完全利用 / 長期動作試験 / AZO透明保護層 |
Research Abstract |
I(intrinsic)層として働く、フラーレンとメタルフリーフタロシアニンからなる、共蒸着膜をp、n層でサンドイッチしたP-I-N接合有機固体太陽電池の性能向上を目指した研究を行った。 (1)N_2(1気圧)下で、フラーレンを昇華精製し、最大1mm×2mmの非常に大きな単結晶として得ることに成功した。2次イオン質量分析(SIMS)を用いて、3回結晶析出させたフラーレンの純度がセブンナイン以上であることを確認した。有機半導体の純度をppmオーダーで決定したのはこれが初めてである。このフラーレンをP-I-Nセルに組み込んだところ、セルの光電流発生層であるi層を、これまでに例のない、1ミクロン以上にすることに成功し、可視光を全て吸収利用することに世界で初めて成功した。その結果、シリコン系太陽電池に匹敵する19mA/cm2の短絡光電流、世界最高の効率5.3%を観測した。 (2)1000時間に及ぶ長期動作試験を行い、有機pn接合セルにおいて100時間連続動作で効率低下率0%、すなわち、完全な安定動作に成功した。Pinセルにおいて、数百時間の長期劣化モードが存在していたが、その原因が、N層として使用していた透明有機半導体の光劣化によるセル内蔵電界の消失に起因することを明らかにした。そのため、新しい透明無機半導体電子輸送層であるAZO(無機半導体ZnOにA1をドープしてn型性を高めた透明導電膜)を、有機薄膜を破壊せずに電子ビームによって有機膜上に堆積する新しい方法を開発した。AZOを組み込んだP-I-Nセルの長期動作試験を行い、1000時間(42日)の動作後の効率低下率5%を達成した。 以上のように、P-I-N接合有機太陽電池が、効率の面からも、耐久性の面からも、実用化真近であることを実証した。
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Research Products
(12 results)