2006 Fiscal Year Annual Research Report
ステップ構造制御基板を用いたパルス光照射結晶成長に関する研究
Project/Area Number |
18560017
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
大下 祥雄 豊田工業大学, 大学院工学研究科, 助教授 (10329849)
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Keywords | 電子デバイス / 電子・電気材料 / 半導体物性 / 結晶成長 / 太陽電池 |
Research Abstract |
GaInNAsを4接合セルの第3セルに用いた多接合型太陽電池の変換効率は、期待された値と比較し低い値に留まっており実用化されていない。この理由は、GaInNAs層における少数キャリアの寿命が著しく短いことにある。少数キャリア寿命が短い理由は、成長方法に起因した残留不純物、あるいは結晶内における窒素濃度の不均一により、再結合中心として働く深いトラップ準位が多数形成されるためとされる。本研究では、上記のような課題を解決し、良好な膜質を有した薄膜を堆積させる技術を実現することを目的とする。 今年度は、結晶表面のステップが成長に与える影響を明らかにすることを目的として、結晶成長に用いる基板のオフ角を変え、ステップ数を変化させて実験を行った。その結果、同一の成長条件においても、基板表面のステップ数が多い場合に窒素濃度が増加するなどの結果を得た。 加えて、ガリウム、砒素、窒素の各原料ガスの供給のタイミングを変化させるFM-CBE法による成長を試みた。例えば、窒素と砒素の原料は継続して供給するのに対し、ガリウムの原料の供給を断続的に行った。その結果、FM-CBE法による成長により、窒素濃度の上昇、残留不純物量の低下するなどの結果が得られた(学会発表ならびに論文投稿済み)。 以上の結果より、CBE法による成長においては、光照射に加え、結晶表面の面方位やステップ構造やテラスの間隔を変えることにより、テラス、ステップ、キンクにおける吸着・離脱・取り込みの各過程を分子レベルで制御することが可能であることが示された。 上記の実験に加え、短波長領域の光の結晶成長過程への影響を調べることを目的として、短波長領域の光を含む重水素ランプを設置し、紫外領域の光を成長中の表面に照射できるよう装置の改造を行なった。
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