2007 Fiscal Year Annual Research Report
水面上単分子膜ドメインのマランゴニー成長不安定性に関する研究
Project/Area Number |
18560018
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
八田 英嗣 Hokkaido University, 大学院・情報科学研究科, 助教 (90238022)
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Keywords | 水面上単分子膜 / ブリュースター角顕微鏡 / マランゴニー不安定性 / 光ビンセット / 局所加熱 / 非平衡成長ドメイン |
Research Abstract |
1.水面上単分子膜に対する局所レーザー加熱により成長する単一の非平衡成長ドメインは一般に高密度の樹枝状ドメインを形成し、主として2種類の分岐構造に分類されることが見出された。1つはフラクタル状のドメイン構造であり、2番目は主枝に対して一方の副枝が選択的に成長する、非対称な樹枝状成長ドメインである。後者の副枝成長における対称性の破れは副枝の成長方向に隣接する他の樹枝状結晶の成長速度と密接な相関を有することが分かった。 2.さらに樹枝状成長はしばしば、隣接するドメインの接近によりトリガーされ、多様な成長界面不安定性を示すことが見出された。この成長方向不安定性の結果として、湾曲したドメイン形状の成長や波状ドメイン境界の成長に代表されるような相対するドメイン間での成長方向変調現象が見出された。 3.以上の結果から、マランゴニー流動に基づいた非平衡成長ドメインの形成過程において観察される、非平衡方向性成長ドメインの対称性の破れや成長方向不安定性は、これらの樹枝状成長ドメインが高密度で成長し、かつこのような樹枝状ドメインが複数個、同時に成長するため、過飽和したLE相中の両親媒性分子の競合的な捕獲現象が生じること、さらにドメイン間での静電反発相互作用が本質的な要因であると考えられる。すなわち、このような相対するドメイン間での分子の競合的捕獲、ならびにドメイン境界間での静電反発相互作用がマランゴニー流動に起因する非平衡樹枝状ドメインの成長率に大きな影響を与え、変調ドメインバターンを生じるということが明らかになった。
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Research Products
(2 results)