2006 Fiscal Year Annual Research Report
ボンドエンジニアリングによる表面状態図予測とナノ構造形成への応用
Project/Area Number |
18560020
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
伊藤 智徳 三重大学, 大学院工学研究科, 教授 (80314136)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 亨 三重大学, 大学院工学研究科, 助手 (40362363)
|
Keywords | 半導体表面構造 / 状態図 / 計算科学 / ナノ構造 / ナノワイヤ / 積層欠陥四面体 / 成長機構 |
Research Abstract |
今年度はGaAs(001)表面構造状態図の詳細検討,次年度以降の課題であるGaAs(111),GaN(0001)表面構造状態図およびナノ構造形成過程の基本検討を行った。各研究テーマ別の概要ならびに実績は以下の通りである。 ・GaAs(001)表面構造状態図:c(4×4)表面から(2×4)γ表面を経て(2×4)β2表面への構造相転移について詳細に検討した。その結果,(2×4)γ表面において表面ダイマー構成原子がGa-AsからAs-Asへと変化することで(2×4)β2表面が出現することを明らかにした(国内会議講演1)。 ・GaAs(111)表面構造状態図:GaAs成長初期過程における(2×2)表面上の過剰Asトライマーの安定性を検討し,Ga原子の吸着によりAsトライマーが不安定化することを明らかにした。 ・GaN(0001)表面構造状態図:GaN成長過程におけるpseudo-(1×1)表面の安定性を検討し,昇温による(2×2)-Gaへの変化,引き続くGa原子供給によるpseudo-(1×1)島構造の形成を明らかにした。これは実験的提案を支持する結果である。 ・ナノワイヤ形成過程:半導体ナノワイヤ成長と積層欠陥周期との関係について検討し,VLS成長では積層欠陥周期がワイヤ径に依存する一方,選択成長では依存しないことを明らかにした。これは選択成長における準安定ウルツ鉱構造の出現を示唆する結果である(国内会議,国際会議講演各2,雑誌論文2,他2印刷中)。 ・積層欠陥四面体形成過程:InAs/GaAs(111)における積層欠陥四面体形成は,転位形成と同程度のひずみ緩和をもたらしており,界面ひずみの緩和が積層欠陥四面体形成の重要な起源であることを明らかにした(国内会議,国際会議講演各1,雑誌論文1,印刷中)。
|