2007 Fiscal Year Annual Research Report
新しい低速原子散乱法による絶縁体表面ナノ構造の動的過程の観察
Project/Area Number |
18560023
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
梅澤 憲司 Osaka Prefecture University, 総合教育研究機構, 准教授 (80213487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 一之 豊田工業大学, 工学研究科, 教授 (60029212)
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Keywords | 表面構造解析 / 絶縁体 |
Research Abstract |
H19年度に行った内容は、前年度に引き続き装置開発が中心であった。H18年度末に絶縁体であるMgO(100)試料表面から飛行時間スペクトルの計測に成功した。この際にプリアンプとノイズから発生しているノイズを除去することが課題となった。そこでH19年度は最初にノイズを除去するために600MHzのデジタルオシロスコープを利用して電子回路の設計の見直しと実装の実装のやり直しを行った。具体的には700MHz帯域まで利用できるOPアンプを利用し実際には200MHzまでの高周波信号に利用できるプリアンプとアンプの開発を行った。ノイズレベルは、10mVまでと非常に小さくなった。次にイオン源の改良を行った。自作イオン源において抵抗が必ず故障をする現象が生じた。この原因はフィラメントのエミッション電流の制御にあった。そこで保護回路を作製しイオン源が安定して働くようにした。続いて、Visual Basic 6で自作した計測綱御プログラムをVisual Basic 2005の仕様にて使えるように新しいソフト開発を行った。試料を回転させるための2個のステッピングモータを制御するにあたりDLLドライバーの開発をした。その後にこのプログラムを使ってステッピングモータがPCで制御できていることを確認した。ソフトも使いやすいものとなり、現在廃盤となっているVisllal Basic6からの脱却に向けて大きく前進した。一方で理論計算を進めるために(株)富士通よりMaterial Explorer5を購入した。これは分子動力学に関する計算ソフトである。表面の原子溝造を計算するために利用している。最後に実用化に向けてメーカが飛行時間計測電子回路の基板を新規開発することとなった。H19年度はH18年度に生じた計測に関する問題点を解決する1年であった。
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