2006 Fiscal Year Annual Research Report
光子の角運動量もつれ合い状態の精密測定に関する研究
Project/Area Number |
18560032
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
宮本 洋子 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (50281655)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 繁樹 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (80321959)
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Keywords | 応用光学・量子光工学 / 量子エレクトロニクス / 暗号・認証等 / 量子コンピュータ / 光源技術 / もつれ合い / 光の軌道角運動量 / ラゲールガウスビーム |
Research Abstract |
1.ホログラムを用いた軌道角運動量検出・変換システムと干渉計を用いた重ね合わせ状態検出システムを計画に基づき構成した。干渉計はレーザー光を参照光として光路長差のフィードバックロックを行った。ホログラムは1次回折光の軌道角運動量のシフト量が0のものと1のものを用意した。シフト量0の場合は全体のシステムは軌道角運動量m=0の成分に対する干渉計として、シフト量1の場合はm=0とm=1との重ね合わせ状態検出システムとして働く。シフト量0のホログラムをセットし、非線形光学結晶(BBO)によって発生させたパラメトリック蛍光のアイドラ光を入力し、干渉計としての動作を確認した。 2.パラメトリック蛍光のシグナル光側に従来のホログラム中心位置シフトによる重ね合わせ状態検出システムを、アイドラ光側に上述の干渉計によるシステムを設置し、光子の同時計数による量子相関検出を行った。ホログラムを軌道角運動量シフト量1のものに交換し、各光路でのモード分別を確認した後、軌道角運動量もつれ合い状態の検出を試みた。アイドラ光側の干渉計の光路長差をロックしてシグナル光側のホログラム位置を掃引する方法・シグナル光側のホログラム位置を固定してアイドラ光側の干渉計の光路長差を掃引する方法の2通りの実験を行い、同時計数値の明らかな変動を観測することに成功した。後者の実験の同時計数値の変動の平均明瞭度は89.6%で、Bellの不等式の破れを示唆するものであった(川瀬大輔、第14回量子情報技術研究会資料他)。 3.空間光変調器を購入して較正を行った。また軌道角運動量状態をより正確に選別するため、ホログラムの歪み補正を行った(尾藤浩一、Optics and Photonics Japan他)。
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